ヤムナは泣いている
デリーの東を流れるヤムナ川。マハーバーラタやラーマーヤナにも登場する神聖な川なのだと言う。そのヤムナ川のほとりに、Yamuna Pushta という、人口15万人を有する巨大なスラム街があった。Yamuna Gently Weeps は、このヤムナ・プシュタが環境美化等の名目で2004年に取り壊された際のドキュメンタリー映画だ。
再定住計画もないまま取り壊しが行なわれたため、12万人以上の人々が行き場を失った。インド最高裁は「貧困を理由にしてスラムに違法に居住することは許されない。だれもあなたがたにデリーに住むことを強制したわけではない」と述べ、住民に立ち退きを要求したと言う。しかし、自ら望んでスラムで暮らしたり子どもを育てたりする者などおらず、彼らがそこに住むのは、農作物の値下がりなどにより、農村部での暮らしが不可能になったからだと、監督の Ruzbeh N. Bharucha さんは言う。スラムやホームレスの問題は、都市の問題ではなく、国全体の課題であり、また農業地帯での貧困の一因に貿易の自由化があることを考えれば、世界全体の課題であると言えるだろう。
インド政府は、スラム街に違法に居住する住民がし尿処理の行なわれていない廃水を垂れ流すことによってヤムナ川が汚染されているとしている。そう書き記されたページには、日本政府の国際協力銀行と外務省ODAのロゴが貼られている。一方、Yamuna Gently Weeps の映画の制作には、キヤノンのインド現地法人が協力したらしい(India Together の記事)。家を失った人たちの生は、私たちと決して無関係ではない。
映画は、英語でナレーションが入っていて、ヒンディー語の会話部分には英語のサブタイトルが入れられているそうだ。インドではすでにDVDが発売されているとのこと。この20日にはベルリンの映画祭で上映されたそうだ。日本でも観られる日が来るような気がする。
2006年 11月 26日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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