« 大学での非正規雇用、アメリカの場合 | トップページ | 虐殺は幻、あいつは民族の敵 »

2006.09.21

世界銀行は騙し絵

Social Watch Report 2006: Impossible Architecture ― 世界銀行と IMF の総会開催に合わせて出版された報告書。概要の紹介(このページ以下)しか読んでいません。それをさらに大ざっぱにまとめると、世界銀行が発展途上国に貸し出している資本より、発展途上国が過去の貸し付けの利子の返済などで支払っている額のほうが多い、という話です。

結構ショックな話だと思ったのですが、考えてみると、世界銀行が善意の塊だと思っていれば意外な話ではあるものの、もともとサラ金のようなものだと思っていれば実に当たり前の話ですね。うーむ、ちょっとした悟りの境地をプチ体験。

Impossible Architecture

報告書のモチーフになっているのは、エッシャーの騙し絵。水(資本)が発展途上国に流れていくように見えて、実は水は掬い上げられているようすと、世界銀行などが提唱している金融システムは、できそうに見えて、実は実現不可能な構造なのだという結論を、うまく表象しているように思います。

Tags: , , , , , ,

2006年 9月 21日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 世界銀行は騙し絵:

» できることは? トラックバック 緑の森を楽しく歩いた
 すみません、講演録なので長いですが、時間のある方お読みください。 「地球のため 続きを読む

受信: 2006/09/21 0:14:51

» IMPOSSIBLE Financial ARCHITECTURE トラックバック 持続可能な社会と金融CSR
◆世界銀行は騙し絵 ◆Social Watch Report 2006 Impossible Architecture 続きを読む

受信: 2006/09/21 22:21:19

コメント

そういえば何年か前に、途上国が借りたお金の返済義務を先進国が免除するかどうかを話し合う国際会議が大々的に行われていたけど、あれはあの後どうなったんだろう?
アフリカの国々が、「利子の支払いに予算を取られ、教育、医療に回せるお金がないから、国づくりどころでない。今のままじゃ、永遠に何も変わらない」と訴えていた。
あまり評判のよくない日本のODAだけど、全部が欺瞞てことはないだろうけど、「援助」の名の下、途上国に渡る現金は、その相手国に進出している外国企業に「お仕事の代金」として渡っちゃう。現地での雇用増に貢献とか言うけど、工事の間だけだし、援助金額のうちにしめる割合だって知れてそうだし、それで借金だけは相手の途上国政府に残る。

気が重くなる話はいやだ。

フィッシャーは何気なくインパクトのある仕事をたくさん残していますよね。詳しくないけど、いろんな人がその鋭さを賞賛している。

IMFや世界銀行に限らず、世の中でまかり通っている問題点も欠陥も、実は世界中の心あるジャーナリストたちが意外と明らかにしていると思うんだけど、その話がどうしても世間という海の海面上には浮かんでこない気がする。
彼らの考古学者のような地道な作業に光を当てるために、本当なら、詩人や作家や芸術家たちの強度のある表現力が今は必要じゃないかなあ、なんて夢想したりするけど。
人によって向き不向きがあるし、「これからはジャーナリストもアートを学べ」なんて言う気は全然ないです。でも、その二つのジャンルがいい関係になるべきと思う。
心あるジャーナリスト10人につき一人のフィッシャーがいる世界・・・だなんて夢かな?

投稿: 岸田 毅彦 | 2006/09/21 23:54:26

この記事へのコメントは終了しました。