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2006.09.18

発展途上国とIMF

シンガポールで国際通貨基金(IMF)の総会が開かれていて、そこで投票権の分配見直しが提案され、それに発展途上国の多くが反対している、という記事を読みました(インドの Mumbai Mirror の記事。日本語では、日経に短い記事がありました)。私、経済はからっきし分からないのですよ。でも気になるので、いろいろと調べてはみたのですが、やっぱり分かりません。

反対を表明しているのは G-24 という国々のグループで、そのうち、インド、ブラジル、エジプト、アルゼンチンの4か国の蔵相が共同声明を発表しています(Dow Jones の記事)。

これらの国々の主張も、IMF当局によって提案されている案も、現行の仕組みが発展途上国にとって不利になっているという認識は同じなのですが、提案では、まず中国、メキシコ、韓国、トルコの4か国に絞って投票権の拡大を行ない、他の国々については後で考える、ということになっています。

私の場合、そもそもIMFでの投票が一国一票ではなく経済力に応じて重み付けがされていたということすら知りませんでした。その配分の表があったので、多い順に並び替えてみました。経済力の評価は特別引出し権(SDR = Special Drawing Right)という仮想通貨単位みたいなもので計るようです。各国に割り当てられている票数は、ほぼこれに比例しています。

下の表では、上位20位までと、記事の中で名前の出ていた国を抜き出しました。再分配が提案されている国は右端の欄に変更案の額を入れ、異議を唱えている4か国には「!」を表示しました。

IMFの配分(quota)
順位加盟国SDR(単位:百万)全体に占める%SDR変更案
1United States37,149.317.40 
2Japan13,312.86.24 
3Germany13,008.26.09 
4France10,738.55.03 
4United Kingdom10,738.55.03 
6Italy7,055.53.31 
7Saudi Arabia6,985.53.27 
8Canada6,369.22.98 
8China6,369.22.988,090.1
10Russia5,945.42.79 
11Netherlands5,162.42.42 
12Belgium4,605.22.16 
13India4,158.21.95!
14Switzerland3,458.51.62 
15Australia3,236.41.52 
16Spain3,048.91.43 
17Brazil3,036.11.42!
18Venezuela2,659.11.25 
19Mexico2,585.81.213,152.8
20Sweden2,395.51.12 
21Argentina2,117.10.99!
28Korea1,633.60.772,927.3
42Turkey964.00.451,191.3
43Egypt943.70.44!

なんか、まだ全然分かんないんですけど、どうしましょう。私、心情的には「グローバリゼーション、はんたーい。フェアトレード、さんせーい」なのですが、そういう人は「今回の提案のような上っ面の微調整は無意味である。国際通貨貿易体制の根本的な改革を!」とか考えておけばいいのかな。

しっかり理解して、自分の言うことにもっと責任がとれるようになりたいですが、世の中は難しすぎます。

この記事を書きながら思ったことをおとといの記事のコメントに書きました。そちらもお読みいただければうれしいです。

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2006年 9月 18日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

IMFって、ろくなことをやらないという印象です。

エリツィンの頃のロシアはIMFの融資を受けて、その代わりに「財政再建のため」という名目で国の経済政策をすべてIMFからの指示通りにと強要された。結果はあの通り。(エリツィンが辞めたら、1年もしないうちに国家財政が黒字になった。)
2001年だったか2002年かのアルゼンチンも同じで、IMFが命令した超緊縮財政で国の経済がますます悪化して破綻。
何年前か覚えていないけど、韓国でもIMFからの融資と引き換えの緊縮財政で破綻。
ある日のルフトハンザ航空のソウル発フランクフルト行きの便が乗客が6人しかいなくて、当日急遽フライトがキャンセルされたなんてこともあったし。

詳しい人に言わせると、IMFって「アメリカの出先機関」らしい。まとめて下さった一覧表の数字を見て、確かに、と納得しました。
アメリカに都合のいいように世界経済を動かす。米ドルが永遠でありますように・・・って。
アメリカ政府の名前でやると都合が悪いから国際機関の衣を着て行う。しかも、国際機関だから必要な資金を世界各国から集められる。でも手綱はアメリカが握ったまま・・・。

リハビリが必要な病人に「健康にいいから」と言ってジョギングさせたのがIMFで、借金で苦しかったあまりについ融資に手を出した国々(ロシア、アルゼンチン、韓国)はますます病状が悪化した。

「まず中国、メキシコ、韓国、トルコの4か国に絞って投票権の拡大を行ない、他の国々については後で考える」だなんて、絶対にやめたほうがいい。
根拠のない推測だけど、すでにシナリオはできている。そして、一番力の強い国が好き勝手にルールを書き換えたんじゃないかなあ? 僕らの国の、ここ最近はやりだった「改革」と同じで、好き勝手にルールを書き換えられる人たちは、これはいい方向への変化なんだと言い張る。
また、「後で考える」とは、「今は教えてあげない」の意味。(ばれたらみんなから反対される?)

投票権拡大の4カ国は、それと引き換えに賛成、または黙認する取引があったのかも。本当は反対なんだけど、怖くて言えない国があってもおかしくない。
あまりにうがった見方かな?

IMFも何か意味のあることをしているんなら、僕もそれについて知りたい。皮肉じゃないです。

政財界の”業界人”にしか理解できないことが行われているんでしょうね。


投稿: 岸田 毅彦 | 2006/09/19 0:39:57

そもそも反対している国々は合わせても票数が少ないので、提案は早々と可決されたみたいですね(正式に決定したのか、票読みの結果がそうなったのか、よく分かりませんでした)。

「IMFはヨーロッパの手先、世界銀行(WB)がアメリカの手先」みたいに書いてある記事もありました。実は私はこの二つの違いも知らなかったりします。ぼちぼち、勉強していきますので、よろしくお願いします。

投稿: うに | 2006/09/19 22:51:29

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