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2006.08.02

南アフリカより(3)

タウンシップ

空港とケープタウンの街をつなぐ国道2号線沿いにある Langa というタウンシップ(旧黒人居住区)の半日ツアーに行ってきました。

まず、その前に、かなり自意識過剰な気持ちの整理について。何のために行ったのかと問われると、たしかに答えに窮するところがあります。「貧しい暮らしをしている人たちの家を見て何が楽しいのか」とか「それで社会的な不均衡に対する義憤を感じたなどと言うのは自己満足なのではないか」とかいう枠組みで見られると嫌だなあと漠然と思います。昨日、植民者たちの作った豪華な農園に行って、ワインの試飲とかをして来ました。それだけで「ケープタウンに行ってきたよ」と言うのは気恥ずかしい気がして、この街のいろいろな姿を見ることを心がけようと思って申し込んだのが今日のツアーでした。自分では、バランスよく見て回っているつもり。

タウンシップの中は、写真のような掘っ立て小屋をはじめとして、もっと粗末な建造物としては、荷物のコンテナをほぼそのまま使っている家屋や3メートル四方ぐらいの板ばりの小屋から、日本でごく普通に見かけるアパートや分譲住宅みたいなものまで、さまざまでした。電気もない家、電気はあるが水道やガスはない家、たぶん全部完備している家も。写真の路地を入っていったところに、屋内でもうもうと煙をたてて薪を燃やして暖をとりながら密造(?)ビールを飲んだり、近所の子どもたちを集めて私設の保育所をやっている女性の家に行って、子どもたちから歌で歓迎されたりと、すごくよくできたツアーだと思いました。もしかすると、連れて行ってもらった家のすぐ隣では人知れずだれかが死の床についていても私たちはそれに気がつかないわけで、この見学をしたからタウンシップのことがよく分かったなどと考えるのは間違いなのでしょうが、最近の言葉を使って言えば、ビジネス・モデルとして成功しているなあ、と思いました。

昼間から仕事のないおじさんたちがたむろしていたり、頭にカラフルなスカーフを巻いた「アフリカのお母さん」といった女性が洗濯物を干したりしている横を、パリッとした服装の(「OL」という呼び名がぴったりな)おねえさんが颯爽と歩いていたりして、住民も多様なんだな、と思いました。そういうところにばかり連れて行かれたのだと言ってしまえばそれまでですが、みんなとても友好的でニコニコしていました。アパルトヘイトの時代にこういうツアーがあったとしても、こんなふうに朗らかな顔は見られなかっただろうということだけは確かな気がするのですが、どうなんだろう。

2006年 8月 2日 午前 05:56 | | この月のアーカイブへ

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