南アフリカより(4)
ネルソン・マンデラが19年間収容されていた Robben Island という政治犯専用の刑務所の跡に行ってきました。ケープタウンの船着場からフェリーで約30分。今、こちらは観光のオフ・シーズンなのですが、それでも人気は高く、一昨日、予約に行って、二日後の見学になりました。いらっしゃる予定のかたはご注意を。
刑務所跡内をガイドしてくれたのは、元政治囚の Vincent さんという人でした。
南アフリカは、アパルトヘイトの後、真実と和解委員会で自分の犯した罪をすべて明らかにすれば恩赦を与えるという方式で歴史の総括を行ないました。憎しみを持たずに歴史を記憶するということ。言うは易く、実際に行なうのはとても難しいことなのではないかと思い、質問の時間に聞いてみたのですが、ビンセントさんは「私には一かけらの復讐心もない。まだ若く至らぬところの多い民主主義だが、とにかく私たちはこの民主社会を作ったのだ。私はそれを誇りにしており、そのために政治犯としてここで何年も過ごしたことに全く後悔はない」と言い切りました。
私は、自分の周りの社会が最近とかく経済的な尺度で物事を量りがちなことにいつも大きな違和感を懐いているのですが、人間の尊厳とか社会の正義とか、そういったもので社会を量り、形作っていく「もうひとつの世界」がここには存在しているのだなあと、強く心を打たれました。
2006年 8月 3日 午前 06:06 | Permalink | この月のアーカイブへ
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