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2006.04.27

マラリア

マラリアは、ハマダラカ(羽根が斑な蚊で、血を吸う時、尻を高く上げるのが特徴らしい)が媒介する微生物によって引き起こされる病気で、高熱、赤血球の破壊(と、それによる貧血)、脳軟化症などを症状としている。年間数億人が感染し、200万人以上の死者を出す。

イギリスの医学雑誌 The Lancet オンライン版の4月25日号に、"The World Bank: false financial and statistical accounts and medical malpractice in malaria treatment" という論文が掲載されている(記事を読むには、無料の登録が必要)。世界銀行は2010年までにマラリアによる死者を半減させるなどを目標とした Roll Back Malaria というキャンペーンを行なっているが、実際には、約束した額をはるかに下回るような予算措置を講じておらず、スタッフも縮小され、また病原体が抗体を持ってしまったような古い薬を配布したり、現地スタッフをおかず、支出の実態も十分に把握されていないなど、非常に杜撰で不誠実な取り組みしかしていない、とオタワ大学の Amir Attaran さんをはじめとする著者18人は手厳しく批判している。世界銀行も、部分的には反論をしているものの、大筋では問題を認めているようである(英インディペンデント紙の記事、米ニューヨークタイムズ紙の記事)。

さらに悪いことに、Global AIDS Alliance という団体によれば、世界銀行が実際の施策を任せている The Global fund to fight AIDS, Tuberculosis and Malaria という基金が、4月27日、28日に開かれる総会で予算執行措置の遅延を検討するらしい。アメリカのブッシュ政権は、グローバル・ファンドに対する援助をほぼ半減させるよう、議会に要請していると言う。他のG8諸国の動向も定かではない。

マラリアは、サハラ以南のアフリカ諸国で最大の死因となっており、一日に3千人の子どもがマラリアによって死んでいる。この子どもたちを、私たちは見捨ててはならない。

少しもったいぶった言い方になるが、ここにすばらしい憲法を持つ国があって、その首相はその前文を引用するのが好きであることを思い起こそう。曰く、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」。この国、私たちの国は幸いなことに豊かな国だ。私たちにできることは、たくさんあるに違いない。

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2006年 4月 27日 午前 12:25 | | この月のアーカイブへ

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