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2006.03.18

長い尻尾と無尽蔵な書架

An endless shelf for library books ― 17日のボストングローブ紙論評欄に乗っていた Elaine Kamarck さんの文章(読む価値としては今ひとつといった感じです)。Kamarck さんは現在ハーバード大学ケネディ行政学大学院講師で、かつてクリントン政権で顧問職にあったそうです。

Google Library Project が始まる前に、ハーバード大学図書館長の Sidney Verba さんは蔵書の電子化を考えていたのだが、予算の制約や、スキャン作業による本の損傷が障壁となっていた。Google との協力で、その二つの障害が取り除かれたが、現在、プロジェクトは Authors GuildAssociation of American Publishers の反対によって宙ぶらりんな状態になっている。

Chris Anderson さんが2004年10月の Wired 誌に書いた "The Long Tail" に指摘されているように、ベストセラー書籍(とかヒット曲とか)以外の作品に対する需要は私たちの想像以上に大きく、著作権保護の観点から「全てをスキャンする」という Google の方針に出版業界が懐疑的であったとしても、きっとこの試みは出版業界をも利するだろう。

といったところが論旨です。Google のプロジェクト立ち上げの裏には Al Gore 前副大統領がいた、とも書いてあります。

Long Tail 理論というのはけっこう有名なようですね。普通の店での手渡しの物品売買は地理的な距離等が制約になって購買頻度の高い少数の商品に焦点を当てざるを得ない(アメリカでは、街にある映画館では二週間で1,500人以上の客を集めないと映画の興行の採算が合わない。CDは一年に2枚以上売れないと、置くスペース代のほうが割高になってしまう)が、ネットはその制約を打ち破り、購買頻度の少ない大多数の商品を扱っても利益をあげることができるという主張のようです。

ふと、商品の場合はこのような計算が当てはまるけど、言論の場合は、メタレベルの言説も言説の中に再帰的に数え上げられてしまうので、うまく成り立たないんじゃないかと思いました。

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2006年 3月 18日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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