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2006.03.31

イラクからいい便り

イラクで1月に拉致された新聞記者 Jill Carroll さんが30日、解放されました。AP電、彼女が働いていた Christian Science Monitor 紙の記事

イラクでは、他にも何人もの人が誘拐されたり殺されたりしているわけですが、以前書いたように、ジル・キャロルさんは私と同じ大学に通っていた人なので、とりわけ近しく感じます。

彼女の帰還を喜び、生きて帰ることのなかった Christian Peacemakers Team の Tom Fox さんの冥福を祈るとともに、拉致、暗殺などの治安悪化の元凶である不当な占領が一日も早く終わることを願わずにはいられません。

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2006年 3月 31日 午前 12:18 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.03.30

フランスの声を聴く

ラジオ・フランスの国際放送(RFI)に、フランス語学習者向けの「やさしいフランス語のニュース」という毎日10分ほどのポッドキャストがあって、勉強のために通勤途中に聞いています(だって、ふつうのフランス語じゃ聞いても分からないんだもん)。日本時間の夜7時ごろに更新になるので、ほぼ一日遅れで聞くことになります。

29日は、再生しても、音楽(しかもなぜかスペイン語)がかかっているだけで番組が始まらないので、どうしたことかと思っていると、「RFI はストライキ中です。通常のプログラムの代わりに音楽を流しています」とのアナウンスがありました。ああ、28日はCPE撤回を求めるストライキが全国で行なわれていたんだっけ。

著作権に関してはフェアユースの範囲内のつもりで、ココログの新しい機能というのをちょっと試してみたりする:

リベラシオン紙も、ウェブは更新しているけど紙の新聞はお休みだったとのこと。3月28日号はPDFのみの発行だったそうです。

ゼネストとか連帯ストって、日本では聞きませんねえ。迷惑する人がいるだろうから(そうじゃなかったらストの意味がないとも言えるのかもしれませんが)、無条件に礼賛するものでもないでしょうが、遠くから見て、素朴に、歴史を自分たちで創っていく、道を切り拓いていく、といった主体性みたいなものを感じます。ちょっと今の日本に欠けてるもの。何て言うんだっけ、そういうの。民度?

写真は Flickrbobuse さんが CC-by-nc-sa で公開しているものを使わせていただきました。フランス中部、Auvergne 地方 Clermont-Ferrand (ルモンド紙の地図を参照。赤丸は主催者側発表の参加者数。青丸は警察発表)で行なわれたデモの一光景です。プラカードは「もう一つの世界は可能だ」です。

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2006年 3月 30日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.03.29

ボパールからデリーへ

リーダーズ英和辞典より:

  • padyatra ― ヒンディー語で「政治的スローガンを掲げて長距離を歩く示威行動」
  • dharna ― ヒンディー語で「食を断ち死をもいとわず相手の門前にすわり続けて正義を主張すること」

March to DelhiInternational Campaign for Justice in Bhopal のブログ。1984年12月のボパールにおけるユニオン・カーバイド社(現在はダウ・ケミカル社)工場の有毒ガス漏出により数千人が死んだ事件の被害救済を求め、生き残った人たちがボパールから800キロの道のりを一か月あまりかけて行進(パドヤートラー)し、このほど首都デリーに到着しました。その行程を記したブログです。途中、コカコーラによる水の汚染の話や、途中の村々で Mahesh Mathai 監督による映画 Bhopal Expressこのサイト で英語字幕版を全篇見ることができるようです)を村人たちといっしょに見る話が出てきます。デリー入り後、国会近くで無期限座り込み(ダールナ)を行なっているようです。

ボパールの人たちに正義がなされるよう、強く連帯を表明します。 

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2006年 3月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.28

油を売る

オリーブオイルが好きな人に耳寄りな情報です。我が家でも愛用しているパレスチナ産のオリーブオイルが、容器の不良のため、値下げ処分セールになっています。フタが空回りしてしまうのだそうです。500cc入りが、通常価格1,785円のところ1,300円+送料とのこと。ほぼ7掛けです。

私はこのオリーブオイルを一月に京都で行なわれた『ルート181』の上映会の時に買ったのですが、本当においしいです。 香り高いですし、味も力強いです。無農薬栽培のようです。これまでも、ディ・チェコとかベルトーリとか、スーパーに並んでいる中ではおいしそうなやつを買っていたのですが、それらより高いだけのことはあると言うか、格が違います。缶入りで売っているチーズと、切り売りされているチーズほどの差? インスタントラーメンとラーメン屋さんぐらいの差? こんな喩えで人に通じると思ってはいけませんな、すみません。でも、さすが大きな工場じゃないだけのことはあるなー、といった感じです。

仙台にあるパレスチナ・オリーブという会社で扱っています。ガラリヤ地方の Sindyanna という会社の製品のようです。違う会社のサイトですが、レシピ集などにもリンクしてみましょう(これこれ)。

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2006年 3月 28日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2006.03.27

ペーパーバック

Dear Sir or Madam, will you read my book?
It took me years to write, will you take a look?
It's based on a novel by a man named Lear.
And I need a job, so I want to be a paperback writer.
-- The Beatles, "Paperback Writer," 1966

Literary Novels Going Straight to Paperback ― ニューヨークタイムズ紙の書評欄の記事。アメリカの出版業界で、これまでの慣例とは異なり、純文学作品をハードカバーではなく、最初からペーパーバックで出版する動きがあると伝えている。

もちろん今までにも「ペーパーバック・オリジナル」で世に出た作品もあるが、たいていはハードカバーのほうが権威があるように見えるし印税も高い(ハードカバーの印税は15%、ペーパーバックの印税は7.5%が相場だとされている)ということで作家にはハードカバーでの出版のほうが好まれてきた。出版社側から見ると、ハードカバーの場合、卸価格は小売価格の約半額で、そのうち40%が生産などのコストにあたる。つまり出版社の利益は小売価格の15%程度となる。ハードカバーのほうが単価も高いので、一冊あたりのもうけは大きいが、返品が多いとこの利益も消えてしまう。ペーパーバックのほうが、まだ売れるかもしれないと思って書店が留め置く率が高いこと、そしてペーパーバックの売れる総量がハードカバーの倍ぐらいになることから、あまり知られていない作家などの場合は、ペーパーバックのほうが有利になる、という計算らしい。

高級感を出すため、(日本ではごく普通だが)紙のジャケットをつけたり、天や小口を裁断せず不揃いにしたりするのだそうだ。個人的には、背が頑丈なら、ほかはどうでもいいのだけれど。

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2006年 3月 27日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.03.26

残された原生林

史上初、精密な原生林世界地図発表 ― グリーンピース・ジャパンが先週発表した報道資料。Greenpeace International では Our disappearing forests として発表されている。地図等、実際のデータは World Intact Forest Landscapes というサイトに置かれている。

今回公開されたのは世界地図上に「道路、集落、水路、パイプライン、送電線など人間の活動によって分断されていない500平方キロメートル以上の原生林地帯」の境界線をプロットするデータで、Google Earth のオーバーレイとして提供されている(kmz ファイルは、「デスクトップ」など日本語のフォルダ名がパスに含まれていると読めないようです。スペースの入ったフォルダ名は大丈夫みたい)。

日本では、本州に3か所、北海道に1か所、該当地域が表示されました。

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2006年 3月 26日 午後 01:51 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.25

今、フランスで

libcom.org/blog - unrest in france ― フランスで展開されている反CPEの運動のようすを英語で伝えるブログ。イギリスのアナキスト団体が運営しているらしい。

いわゆる中流階級の大学生の運動として始まったものが、数週間のうちに高校生を中心とした若者全体の運動に変わってきたと分析している。

このサイト、なかなかあなどれないところがあって、写真集の中に、大阪の公園での強制退去の写真もある。

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2006年 3月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.24

人権としての水

WATER: Final Declaration Holds Diluted View of Water as a "Right" ― メキシコシティで開催されていた世界水フォーラムが宣言を採択して閉幕。宣言には「水は世界のすべての人々の声明を保証する」という表現が入れられたが、水を基本的人権として定義できなかったことが多国籍企業による水の商品化を許容するものであるとして批判している。宣言には、安全な水が手に入ることを人権として認めようというボリビア、キューバ、ベネズエラの意見が補遺として掲載されているという。

水の日にあたり、UNESCO は「水は商品以上のものである」とし、安全な水が万人に供与される必要性を訴えている(ユネスコの水特集のサイト)。世界水フォーラムの企業寄りの姿勢には、市民団体によって同時期に開催された International Forum in Defence of Water というオルタナティブな会合でも批判が相次いだようである(Water Observatory で報道されることだろう)。

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2006年 3月 24日 午前 12:06 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.23

差別者が3割

Trois Français sur dix s'avouent racistes, selon un sondage ― 最近行なわれた調査によると、フランス人の3割が「自分はある程度人種差別的だ」と考えていると伝えるAP電。

調査は2005年11月および2006年2月に国の人権諮問委員会(CNCDH = la Commission nationale consultative des droits de l'homme)が実施したもの。自分に人種差別的傾向があると答えた人が2004年の25.1%から5%増えて10人に3人、と書いてある。なぜかパーセント表記にはなっていない。人種差別的な行動を目撃した時、警察に通報するか、という問いには、前年よりも18%も下がって32%しか「する」と答えていない。人種差別の事実を指摘された企業をボイコットすべきだと答えた人も14%減って39%に留まっているなど、人種差別をタブー視しない風潮が徐々に強まりつつあると報告は指摘している。

日本で調査しても同じような傾向が見られるのかな、と思う。自分の意見は差別じゃない、自由に意見を表明して何が悪い、などとぬかす輩もいるから、自己申告は当てにならないかもしれないけど。

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2006年 3月 23日 午前 12:27 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.22

遠いインドの話

An Indian village's invisible children ― インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙の記事。「見えない子どもたち」というのは、出生が登録されていない子どもたちのこと。身分を証明する手立てもなく、社会保障などの網の目からどんどん取りこぼされていってしまう人たちのことだ。

インド全体では、42%の新生児が公式に記録されずにいると書いてある。僻地や、都市中心部のスラム街などでは、ほとんどの子どもが登録されないでいる。インド北部 Uttar Pradesh 州の Auraiya 地方にある Bhaupur という村では、何十人もの子どもが道を駆け回っているが、公式な統計によれば、この村の過去10年間の出生率は0%である。村役場には州政府から出生登録用の台紙がこの5年ほどの間、一枚も届けられていない。村にはコンピュータは一台もなく、コピー機ですら、110キロほど離れた町に行かなければ見つからない。村、郡、州へと上がっていく事務手続きも不条理劇のごとく複雑で、不備だとして突っ返されてくることもあるので、役人たちはやる気をなくしているらしい。

この話を読んで、このあいだ大阪駅の近くを歩いていた時に手渡されたビラのことを思い出した。よかった。まだ捨てていなかった。

裏面には、大阪府、奈良県、神戸市、京都市で夜間学級を開講している中学校の連絡先がぎっしり書かれている。

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2006年 3月 22日 午前 12:18 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.21

コカコーラと世界水フォーラム

Coke 'drinks India dry' ― 英オブザーバー紙の記事。コカコーラ社工場の操業によって、インドのラジャスタン地方とウッタル・プラデシュ地方で、農業用水の供給に支障が出ているという調査について報じている。インドでは、南部のケララ地方でコカコーラ社による水質汚染があり、ボイコット運動などが行なわれている(このブログの昨年9月の記事)。

今回の調査をまとめたのはイギリスの War on Want (欠乏との戦い)という団体で、Coca-Cola: The Alternative Report という報告書が昨日、公開された。左のグラフはこの報告書に掲載されている Rajasthan 州にある Kaladera という村の地下水の変化を示すもので、コカコーラ社の工場ができた1999年を境に、水位が急激に下がっていることを示している。このほかに、報告書では、コカコーラ社をめぐるメキシコのチアパス州やエルサルバドルでの水資源分配に関する問題や、汚染、不当労働行為などが論じられている。

コカコーラ社は、現在メキシコで開催されている第4回世界水フォーラムスポンサーに名を連ねている(日本国政府もスポンサーとなっている)。War on Want は、World Water Forum が水資源の民営化というネオリベラルな狙いを持っていると指摘して批判している(この記事この記事)。多岐にわたるフォーラムであるので、そのような要素が全体に対してどの程度の重みを持っているのか、私には分からないのであるが、たしかに皇太子が基調講演を行なった日には「ビジネス、水と、持続可能な発展」というセッションが設けられていて、「水資源管理はいいビジネスである」という発言がなされたり、世界銀行の代表が発言したり、市民団体の代表が民間セクター(企業)が水関係の活動に投資する動機に疑問を投げかけたりしている。

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2006年 3月 21日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.03.20

平和を誓う日

昨日、平和を求める人文字を作る集会に行ってきました。上から撮った写真が見たいです。夜が明けたら、新聞にでも載るでしょうか。地上で撮った写真を一枚だけ:

発泡スチロールを切り抜いて作った「9」の文字がすてきでした。「うたごえ9条の会です」と言っていました。たぶんこの人たちです。手作りの歌集をいただきました(A4の紙を縦は半分、横は4つに折り、縦の中心線の真ん中2つ分に切れ目を入れます。すると、めくっていって読める小冊子になります。知らなかった!)。

折しも、dox さん(『二本山の兄弟犬』の著者)が猫が好きな9条の人のためのバナーを作ってくださいました(ここに来るまでにいろいろがあってのう。すまんこってす)。今日から私のブログに掲げます(左欄。ごめん、小さくしすぎちゃった)。ちなみに dox さん自身は犬派ですが、寒い北海道で家に迷い込んできた猫の親子を引き取って育てている、心優しい人です。

ついでに。ひょんなことから QR コード作成ソフトをインストールしたので、憲法9条をエンコードしたものを作ってみました。

 

作ってから、既にネット上にあるのを見つけました:「憲法9条を守ろう、活かそう/アピール用フリー素材&ネタ」。このページ、ものすごくおもしろいです。作品番号24なんか、ほんと、抱腹絶倒してしまいました。

追記:20日の朝日新聞朝刊関西版に航空写真が載りました。ウェブにも載っていました

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2006年 3月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.03.19

一言で言えば

The Pew Research Center が15日に発表した合州国内の世論調査の中に、「あなたのブッシュ大統領に対する印象を表わす単語を一つだけ挙げてください」というのがあった。詳細ページによると、600人から700人程度に聞いて、一番多い答えが29人ということだから、ちらばりがかなり大きく、どれだけ統計的な意味があるのか私には分からないが、表自体はなかなかおもしろい。2003年5月の結果(下表左欄)と今月の結果(右側)を比べてみる。

「誠実(honest)」という語は昨年7月まで、ずっと1位を保ってきたのだが、今回6位に転落した。「よい(Good)」は途中で変動はあるものの、三年前も今も2位。「大馬鹿(Idiot)」は16位から3位へと大きく順位を上げた。そして、3年前には「有能(Competent)」が14位に入っていたが、今回の調査では反対語の、「無能(Incompetent)」が1位に輝いている。

May 2003 March 2006
1 Honest Incompetent
2 Good Good
3 Arrogant Idiot
4 Leader Liar
5 Great Christian
6 Confident Honest
7 Courageous Arrogant
8 Aggressive Strong
9 Christian Integrity
10 Determined Ass
11 Integrity Leader
12 Patriot/Patriotic Jerk
13 Cowboy OK
14 Competent Sincere
15 Decisive Stupid
16 Idiot President
17 President Selfish
18 Strong Untrustworthy
19 Adequate Bad
20 Excellent Conservative
21 Fair Consistent

あまり人の悪口を言っても心が貧しくなるだけなので、他山の石としたい。

それにしても、「ブッシュ大統領の印象を表わす言葉を一つどうぞ」と言われて、「大統領。」とそのまんまの答えをする人がいるのは、けっこう笑えると思いませんか。

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2006年 3月 19日 午前 12:00 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2006.03.18

長い尻尾と無尽蔵な書架

An endless shelf for library books ― 17日のボストングローブ紙論評欄に乗っていた Elaine Kamarck さんの文章(読む価値としては今ひとつといった感じです)。Kamarck さんは現在ハーバード大学ケネディ行政学大学院講師で、かつてクリントン政権で顧問職にあったそうです。

Google Library Project が始まる前に、ハーバード大学図書館長の Sidney Verba さんは蔵書の電子化を考えていたのだが、予算の制約や、スキャン作業による本の損傷が障壁となっていた。Google との協力で、その二つの障害が取り除かれたが、現在、プロジェクトは Authors GuildAssociation of American Publishers の反対によって宙ぶらりんな状態になっている。

Chris Anderson さんが2004年10月の Wired 誌に書いた "The Long Tail" に指摘されているように、ベストセラー書籍(とかヒット曲とか)以外の作品に対する需要は私たちの想像以上に大きく、著作権保護の観点から「全てをスキャンする」という Google の方針に出版業界が懐疑的であったとしても、きっとこの試みは出版業界をも利するだろう。

といったところが論旨です。Google のプロジェクト立ち上げの裏には Al Gore 前副大統領がいた、とも書いてあります。

Long Tail 理論というのはけっこう有名なようですね。普通の店での手渡しの物品売買は地理的な距離等が制約になって購買頻度の高い少数の商品に焦点を当てざるを得ない(アメリカでは、街にある映画館では二週間で1,500人以上の客を集めないと映画の興行の採算が合わない。CDは一年に2枚以上売れないと、置くスペース代のほうが割高になってしまう)が、ネットはその制約を打ち破り、購買頻度の少ない大多数の商品を扱っても利益をあげることができるという主張のようです。

ふと、商品の場合はこのような計算が当てはまるけど、言論の場合は、メタレベルの言説も言説の中に再帰的に数え上げられてしまうので、うまく成り立たないんじゃないかと思いました。

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2006年 3月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.17

交響曲第5番『ヒロシマ』

大木正夫・交響曲第5番「ヒロシマ」・日本狂詩曲』(NAXOS 日本作曲家選輯)というCDを買いました。今月(2006年3月)の新譜です。演奏は新日本フィルハーモニー交響楽団、指揮は湯浅卓雄さん、昨年5月の録音です。廉価版で有名なNAXOSですから、安くて、京都のタワレコで790円でした(アマゾンだとちょっと高いですねえ、1,050円します)。日本のCDは無法に高価であると私は強く思いますが、その相場の中で、初の音盤化であることも考えれば桁外れにお買い得の一枚だと思います。片山杜秀さんによるとても詳しい解説が付いています。

大木正夫さんという作曲家を私は知らなかったのですが、1901年生まれ、1971年没。第二次世界大戦後の代表作には、カンタータ『人間をかえせ』(1961)、交響曲6番『ベトナム』(1970)などがあるそうです。

このCDの最初のトラック『日本狂詩曲』は1938年初演の曲です。時代は軍国主義的、全体主義的で、暗かったのだろうと思いますが、全くそんな感じはしません。コープランドの『アパラチアの春』みたいな曲です。解説によると、当時の大木さんは大政翼賛的な作品を書いていたようなのですが、うーん、私が鈍いんでしょうか、私にはそういう音は聴き取れませんでした。

8楽章からなる交響曲第5番『ヒロシマ』(1953)は、丸木位里さん・丸木俊さんの『原爆の図』の印象を綴ったものです。原爆を描いた音楽と言えば、Krzysztof Penderecki の "Threnody for the Victims of Hiroshima" (1960) が思い浮かびます。大木さんの作品も、高音域の不協和音を多く使っている点などがよく似ています。ただ、ペンデレツキが核爆発の持つ壁のような(圧倒的で、逃げ場のない)暴力性を表わしているのと対照的に、大木さんの曲は、破壊が終わった後(これは語弊がありますね。被爆地、被爆者の破壊は核爆発の一瞬で終わったのではないことは私も認識しています。とりあえず、巨大な火の玉と熱風が大きな破壊をもたらした、その後、という意味で解釈してください)の虚無が基調になっています。そのぶん、静かというか落ち着きがあります。禅・仏教の無・諦めの境地みたいなのに通じているのかもしれません。ところどころ、曲想はショスタコービッチの交響曲とか、メシアンの「時の終わりのための四重奏曲」などに似ているところがあります。核の暴力を叙事的に描いているという点で、ロマンチックな感じもします。

ここ数年、私はクラシック音楽をあまり聴いていなかったのですが、久しぶりに、ああ、クラシックっていいなあ、と思いました。音楽的な素養はないので、いろいろと的はずれなことを書いたかもしれませんがお許しください。あ、そうだ。作者が何を描こうとしているかが分かりやすいという意味で、クラシックを食わず嫌いしてきた人への「入門」としてもいいかもしれない、と思いました。

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2006年 3月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.16

書かなきゃよかった

US general says no proof Iran behind Iraq arms ― 今後の展開によっては、「かつては、こう言っていたのに!」と思い起こすことになるかもしれない(下に書くdのシナリオ)と思い、書き留めておきます。もちろん、そんなふうに腹を立てないで済むことを願わずにはいられません。

記事の要点は、(1) 先週、ラムズフェルド国防長官が、イランの革命防衛隊がイラクに入って煽動活動をしていると発言した。証拠はあると言ったが、具体的なことは何も言わなかった。(2) 13日にブッシュ大統領が、イラクで道路脇に仕掛けられた爆弾にイラン製の部品が使われていると発言した。まあ、これらの「因縁付け」は、今までも行なわれてきたことです。(3) しかし、統合参謀長である Peter Pace 海兵隊司令官は、これらの点について「証拠は何もない」と発言した、というものです。

ラムズフェルド自身、兵器等が実際に搬入されるところを押さえたわけでもないし、イランからイラクの聖地に巡礼に訪れる人は多いので、イラン政府の命令で組織的に人が送り込まれているかどうか証明することも難しい、と認めています。

今の時点では、「現状では証拠はない」わけですが、(a) 今後も状況は変わらず、これでは十分な「因縁」にならないので緊張も高まらない確率が1/4、(b) 実際に疑うべくもない証拠が新たに発見されて緊張が高まる確率が1/4、(c) アメリカが証拠をでっち上げて緊張を高める確率が1/4、(d) 状況は変わらないのだけれど、「証拠がある、証拠がある」と言い続けて、いつの間にか証拠があったことになって戦争になだれ込んでいく確率が1/4、などと考えるのはちょっとシニカルすぎるでしょうか。悪く傾く確率が3/4になってしまいますが。あ、核兵器開発疑惑を計算に入れてないや。

なんか遠く離れたところで他人事のように賭けみたいな話をするのは悪趣味ですね。自尊心、下がりっぱなし。アヤットさん、もし読んでたら、ごめん。

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2006年 3月 16日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2006.03.15

砕け散る氷河

アルゼンチンの南端、パタゴニア地方にある Perito Moreno 氷河。その先端は川を堰き止め、数年に一度、しみ出る水が開ける穴が大きくなりすぎたり、堰き止められた水の圧力に耐えられなくなって、崩壊するのだと言う。目を瞠るような光景らしい。

数日前から、氷の壁が崩壊する目前の状態が続いており、数多くの人が現地で固唾を呑んで見守っている。アルゼンチン Clarín 紙の報道:

20世紀には、この現象は16回起こったが、まだ年若い21世紀では、すでにこれが2回目である。世界のいたるところで氷河の縮小が観察される中、もしかすると、この氷河は、生き急ぐように、その華麗な姿を私たちに見せようとしてくれているのかもしれない。

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2006年 3月 15日 午前 12:00 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.03.14

国と民、四十年前と今

この週末、山口県岩国市でアメリカ軍の空母艦載機の移駐を受け入れるか否かの住民投票が行なわれた(岩国住民投票を成功させる会“住民投票へ行こう!!”Blogを参照)。「防衛は国の専権事項だから住民投票にはなじまない」などといったボイコット運動も行なわれる中、投票は成立し、投票数の約9割、有権者の過半数が受け入れ反対の票を投じたが、この明確な意思表示について、小泉首相は「どこでも住民投票をすれば反対でしょうね、基地は」「そこが安全保障の難しいところです」「(住民投票の結果が在日アメリカ軍の再編計画全体に)影響がないよう努力していく」 と語ったと言う。

場所も時代も別の話になってしまうが、今、私たちが成田空港と呼んで利用している施設は、はじめ、成田の南隣、富里に建設することが内定していたのだそうだ。しかし、富里の農民たちは猛烈な反対運動を展開し、内定を白紙に戻させてしまう。次は茨城県の霞ヶ浦を埋め立てて空港を作る計画が持ち上がったが、ここでも漁民などの反対で計画は断念される。

それで4転、5転、行き所がなくなって、佐藤自民党内閣が、天皇の御料地、三里塚1060ヘクタールの3割7分、天皇の御料地と県の竹林で3割7分しかないのに、1966年6月、三里塚に閣議決定してしまった。私達三里塚の農民には一言の話もないまま、前もって話せば猛烈な反対になるということで、三里塚の農民の知らない間に、あれよあれよという間に閣議決定してしまった。そういうことでできたのが現在の三里塚空港だ。そうやって農民を切り捨て、農民を追い出し、三里塚に空港を造った。

私も農民だ。農民の倅だ。だから何としても自分達の土地は守らねばならない。そうして、三里塚・芝山の同志とともに闘った。

と、空港反対同盟の幹部だった秋葉哲さんが語っている。『管制塔元被告連帯基金運動 4ヶ月の記録』(2005年、管制塔元被告団・声明の会・連帯サイト、1,500円)で読んだ。1966年とは、今からちょうど40年前のことだ。

40年前の三里塚と今の岩国の問題を同じように括るのは乱暴すぎるかもしれず、また、いろいろな色やニュアンスを持つ過去との比較は望まれないのかもしれない。しかし、「国のやることに、(一部の、犠牲を強いられる)住民は黙っていろ」とする図式は全く変わっていないように思う。

有無も言わせず押しつけるのではなく住民投票ができるようになったこととか(但し、その結果は黙殺されそうだが)、口を差し挟めないとされる領域が防衛なり外交なりだけに絞られたこと(もちろん、他の問題の時は、別の言い訳が出されるのかもしれないが)は、この40年間に市民が勝ち取ってきた進歩ではあるのかもしれないけれど。きっと、まだまだ足りないのだ。

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2006年 3月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.03.13

彼の死は終わりをもたらさない

Slobodan Milosevic found dead ― ユーゴスラビアの元大統領スロボダン・ミロシェビッチの死去を伝えるベオグラードの独立系テレビ局B92の記事。

上記記事から略歴をさらに要約して示す。1941年生まれ、1990年末にセルビアの大統領に就任。1997年にユーゴスラビアの大統領に就任。1999年、NATO空爆の中、戦争犯罪で訴追される。2000年10月、前月に行なわれた大統領選において野党候補 Vojislav Kostunica が勝利したことを認め、辞任。2001年6月28日、オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際犯罪法廷(ICTY = International Criminal Tribunal for the Former Yugoslavia)に身柄を引き渡される。

ボスニア・ヘルツェゴビナの独立系報道機関 ONASA のサイトに、11日の主な動きがまとめられている。ボスニアのムスリム女性団体や政治家などが、裁判で真実が明らかになる前にミロシェビッチが死んだことを残念だとするコメントを出しているのに対し、セルビアやボスニア内のセルビア人政治家などが、戦争犯罪を否定するコメントを出しているのを見ることができる。

Balkan Investigative Reporting Network記事は、ミロシェビッチの死を受けて、セルビア国内で不当に戦争責任を問われているという被害者意識が高まりを見せていると観察している。ミロシェビッチが率いていた党の幹部は、逃亡中の戦犯容疑者 Ratko Mladic と Radovan Karadzic に対し、決して捕まらないように、と呼びかけている。記事はまた、セルビア国内にはこのような民族主義者だけではなく、戦争犯罪の真実を誠実に受け入れるべきだと考える人たちもおり、彼らの間では、ミロシェビッチが死んだことにより法廷が終結するため、罪があいまいなままに放置されてしまうことへの危惧が広まっているとしている。

英ガーディアン紙の記事の末尾に、ミロシェビッチに対する裁判に関するリンク集がある。

個人の罪を問う法廷とは別に、セルビア・モンテネグロ国をジェノサイドの罪に問う国際司法裁判所の審議は続く。

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2006年 3月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.12

言語(科目)を救え

Speaking up for languages ― カリフォルニア州サンタクルスの Sentinel 紙の記事。University of California, Santa Cruz で、語学プログラムを大学の重点領域にすることを求めて学生たちが行なった集会のもようを伝えている。UCSC では外国語が必須になっておらず、予算削減の格好な標的とされている。開講クラス数が少ないため、スペイン語などの人気科目は人数制限で履修できない学生も多い。また、学生たちはタガログ語などもっと多様な言語の授業が開講されることを求めている。集会のようすは Indymedia の記事で、写真を通して知ることができる。

集会を主催した学生団体 Save Our Lanugages の報道資料によれば、大学当局は多様性を重視すると言いつつ、言語科目に関しては2年連続で20%の予算カットを行なうおそれがあり、もしそうなれば、開講される言語科目がかつての半分になってしまう状況であった。しかし、学生たちは、その話が明るみに出てからわずか二日間で全学の四分の一の署名を集め、当局側に予算カットを撤回させたそうである。惜しみない拍手を送ろう。ここには、「大学執行部は現場から遊離してしまっていて、学生や教職員の必要としているものが何かを全く理解しておらず、無神経な決定を重ね、自分たちのことばかり考えていて教育に害をなしている」という批判の声も紹介されている。

今、大学を襲っているのが「予算の危機」ではなく、「プライオリティの危機(何が重視されるべきかが間違っている)」であるという学生たちの主張は、決してカリフォルニア大学に限られたものではないと私は思う。語学系の科目への予算配分が軽んじられていることを含め、日本の大学も同じような状況だ。関西のある大学では、任期付きの専任講師、嘱託講師、常勤講師といった複雑な雇用体系を簡素化するという名目のもとに、近年、全体的に給与水準の低い体系に組み替えたのだそうだ。その結果、よい人材を集めるのが難しくなってしまった。ある学部でいわゆるネイティブの英語講師として採用が決まっていた人が今年になってから2人も辞退してきて(他のもっと条件のよい大学に行くことにしたのである)、いまだに4月からの授業が十数コマ、穴が埋め切れていないらしい。

こういう小さいところどころで、ネオリベラリズム的な運営(あえてカタカナで書けば、ガバナンスか)は既に破綻を来たしているように思えるのだけれど、なかなか社会全体の流れに棹さすようにはならないものだ。もどかしいかぎり。

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2006年 3月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.11

カンダハールのコーヒー店

かつてタリバンの拠点であったアフガニスタンのカンダハールのコーヒー事情。

Mullahs and Americans mingle in Afghan cafe culture 英ガーディアン紙の10日付け記事。アフガニスタン系アメリカ人の Mohammad Naseem さんが半年ほど前に開いた The Coffee Shop のようすを伝えている。壁には Ahmad Shah Durrani というパシュトゥンの偉人の肖像画や、西側の写真家による難民の少女の写真が飾られている。アフガニスタンでは主に甘い緑茶が飲まれるが、ここでは CIA の職員も、イスラムの聖職者も、入り交じって挽きたてのコーヒーを飲んでいる。店内は禁煙。一見、ロンドンのパブのようなにぎわいではあるが、女性は一人もいない。

Troops to get java fix, Timbits ― カナダ、トロント・スター紙の8日付け記事。アフガニスタンに派兵されているカナダ軍の要望で、カナダのコーヒー・チェーン Tim Hortons がカンダハールに出店すると報じている。詳しい日程は不明だが、トレーラーを店にして、テイクアウトできるようにするほか、カナダ軍基地への配達も行なう予定。

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2006年 3月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.10

東ティモールの今

The Path out of Poverty ― 国連開発計画(United Nations Development Programme)が8日に公表した東ティモールの人間開発(human development)報告書(報道資料UNDP in Timor-Leste のサイト)。

植民地支配と占領を脱したとはいえ、東ティモールは貧しく、また、改善の兆しがあまり見られない。ティモール海の海底資源開発が希望の光ではあるが、貧困の問題が解決されるには、農村部への富の分配が十分に行なわれるか否かが鍵となる。

報道資料や巻末の資料集をもとに、東ティモールをめぐる数字をいくつか挙げる。

  • 人口の半数は安全な飲み水を手に入れることができない
  • 新生児1,000人のうち60人は一歳の誕生日を迎えることがない
  • 平均寿命は55.5歳
  • 4人に1人が40歳までに死ぬ
  • 一人当たりの年間所得は$370 (約4万3千円)
  • 人口の8割は農業に従事しているが、農業地帯に投下される資本は1/3、財は1/5に過ぎない
  • 成人女性の2/3、成人男性の半数が非識字者である
  • 小学校年齢の1割から3割が学校に通っていない
  • 平均就学年数は4.1年
  • 人口の59.6%が15歳以下
  • 平均出産率は7.0人

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2006年 3月 10日 午後 04:00 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2006.03.09

ナイロビの蜂

ナイロビの蜂』 ― 日本では5月公開予定、ジョン・ル・カレ原作のスパイ映画だそうです(原題は The Constant Gardener)。先日のアカデミー賞で、Rachel Weisz さんが最優秀助演女優賞を受賞しました。ケニヤで World Food Program の食料援助の仕事をしていた女性テッサが殺され、その夫である外交官が真相解明に乗り出す、というのが筋のようです。テッサが殺されたのは、ケニアで秘かに行なわれていた製薬会社の人体実験を暴いたから。

世界食料機構もワイズさんの受賞に祝辞を寄せ、特製予告編を公開しています。

現在、ケニア、ソマリアをはじめとする東アフリカ諸国は干ばつによる飢饉に直面しており、援助を必要とする人は600万人とも2,000万人とも言われています。

そして、飢餓は遠いアフリカだけの問題ではない。WFP の Interactive Hunger Map を見ると、私たちのすぐ近くにも、人口の3分の1以上が栄養失調状態の国があります。

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2006年 3月 9日 午前 12:25 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.08

収容所のミュージカル

Yoduk Story ― 韓国で来週15日に公開されるミュージカル「ヨドク・ストーリー(요덕스토리)」の公式サイトです。北朝鮮の耀徳(ヨドク)第15号管理所という収容所をめぐる物語だそうです。練習風景のビデオなどが見られます。その上演までの道のりに関しては、日本では産経新聞が伝えています。

ロサンジェルス・タイムズ紙の記事では、作者の Jung Sung San さんがこのミュージカルを「韓国の『レ・ミゼラブル』」に喩えていることを紹介しています。記事を書いた Barbara Demick さんは『ジーザス・クライスト・スーパースター』や『屋根の上のバイオリン弾き』を連想したと書いています。あらすじは、父親が韓国に住む兄弟と連絡をとったため、Kang Ryon Hwa という女優がリハーサルの途中に連行され、キム・ジョンイルの写真を焼いたことで収容されている人と同じ牢に入れられ、看守に強姦され、妊娠し、自殺する、というもの。公式サイトには、「愛と赦しの物語」だともあるのですが、ちょっと見てみないと分かりませんね。

劇団は財政難で困っていて、監督の Jung さんは自分の腎臓を担保にお金を借りているそうです。募金の受付先は Standard Chartered First Bank Korea、口座番号 136-20-055404、名義 Kim Kyung Mee (Yoduk Story) とのこと。

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2006年 3月 8日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.03.07

難民受け入れ施設ができる

条約難民支援施設:4月、東京都内に開設へ 内閣府」という記事が毎日新聞のウェブサイトに出ていました(知ったのは、英訳記事がrssで流れてきたため。日本語版にもフィードがほしいです)。条約難民に日本語を教えたり就職先を紹介したりする「定住支援事業実施施設」で、アジア福祉教育財団難民事業本部が委託運営。一年目の定員は18名、すでに、10名の受け入れが決まっているとのことです。「今後、必要に応じて定員を増やす」とも。

日本は難民認定に異様に消極的で、法務省資料(報道資料および)によれば、1982年から去年(2005年)までの間に認定を受けた人が376人、不認定であるが「人道配慮による在留」を認めた人が381人に過ぎません。記事にも「内外から「難民に冷たい国」と批判を浴び、内閣府に難民対策連絡調整会議を設置し、難民の保護と支援制度の見直しを進めていた」とあります。今回の施設開設は、非常にささやかな第一歩ですが、とてもいいことだと思います。

もちろん、支援施設という「ハードウェア」を作ることもさることながら、人権を尊重したり、自分とは異なる文化や言語を背景に持つ人たちに心を開いたりといった「ソフトウェア」の充実のほうが大切なのかな。「外国人」のことを「いてき(夷狄)」だと思っているような人がチラホラいますからね。でも、私の文章を読んでくださるみなさんは違うはず。筆者より、みなさんに大きなハグ(抱擁)を送ります。

(現実には、しょうもない人たちも数人はここを読んでいると思います。で、そういう人たちは「みなさんに大きなハグを送ります」みたいな愛情表現が苦手で、そういうのを読まされると逃げていくのではないかと考え、私自身ちょっと照れくさい言葉を虫除けの意味で使いました。公園にモーツァルトを流すと不良が寄りつかなくなるような効果を狙っています。)

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2006年 3月 7日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.03.06

ブッシュを裁く高校生たち

アメリカ合州国東部、ニュージャージー州のある高校で、社会科の授業の一環として、ブッシュ大統領の戦争責任(イラク民間人の殺傷や、グアンタナモなどでの捕虜の非人道的な扱い)を問う疑似国際法廷を開いたところ、保守系のメディアが一斉攻撃に出たらしい。

つくづく、こういう時、日本でもアメリカでも、右寄りの人たちというのは組織的行動が素早くできるものだなと感心してしまいます。私たちも見習いましょう。

地元紙(かなりこの法廷には批判的)の記事 "Bush 'trial' in Parsippany to skip verdict" によれば、抗議に配慮して、判決を言い渡すことはやめたとのこと。判事役の教員5名の前で生徒たちが原告、被告の弁論をして終わるようです。

調べてみると、この高校のある町は圧倒的に白人が多く、この選挙区の州議会議員や国会議員はみんな共和党だし、2004年の大統領選でもブッシュが勝っているし、どんな判決が出るかについては、右の人たちは心配する必要がなかったんじゃないかと思うのですが、危機感を持って事にあたったということは、それだけ支持が凋落してきているんでしょうかね。

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2006年 3月 6日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.03.05

青森に米軍レーダー

Japan, U.S. finishing plans for new radar というAP電。青森県つがる市の車力(しゃりき)航空自衛隊分屯基地にアメリカ軍の「Xバンドレーダー」を配備することに両国政府が合意したと伝えています。日本でも地元の陸奥新報に「米軍新型レーダー配備正式要請」「「住民ないがしろ」レーダー配備要請に地元反発」などの記事が出ています。

私は軍事のことに疎いので、このニュースにどういう意味があるのか、よく分かりません。昨年10月の「2プラス2」協議で合意されていた話が具体化されたもので、在日米軍再編の最終報告を前に、アメリカ軍のミサイル防衛構想に自衛隊を組み込み、日米軍事同盟を強化するものだと理解しています。間違っていましたらご指摘ください。

Xバンドレーダー(XBR)ほこんな感じのもの(写真)のようです。海上版の写真はこちら。別のAP電によれば、何千キロも離れたところを飛んでいる野球のボールぐらいの大きさのものを探知できるのだそうです。基地の近くでキャッチボールすると怒られたりするんでしょうか。

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2006年 3月 5日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.03.04

消える大陸

NASA の Visible Earth というサイトにある衛星写真を100分の1に縮小しました。夜、宇宙から地球を見ると、こんな感じらしい。たぶん、白黒反転させたやつのほうが見やすいです。

この写真を探したきっかけは The Dark Continent: It’s Still Dark というブログ記事でした。 かつて「暗黒大陸」と呼ばれたアフリカは、今も暗いよ、という話です。

日本周辺だけ切り抜いたものも作ってみました。お子さまには、こちらのほうが食べやすいかも。

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2006年 3月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.03

見分け方

How Can Sunnis and Shiites Tell Each Other Apart? - Slate に出ていた Daniel Engber による記事。スンニ派とシーア派の見分け方。

顔立ちや話し方、服装によって見分けるのは難しい。名字(イラクには名字があるんですね)で分かる場合がある。Chalabi は有名なシーア派一族の名前、Pachachi はスンニ派に多い。ファーストネームはもう少し分かりやすい。シーア派はムハンマドの養子アリとその息子たちハッサンとフセインをイマムとして認めているので、Ali、Hassan、Hussein などの名前はシーア派に多い。一方、Omar、Abu Bakr、Yazid などは、シーア派のイマムの対抗勢力だったので、スンニ派に多い名前である。

超保守的なスンニ派の男性はひげをのばし、女性は目以外を覆う。保守的なシーア派男性はネクタイを着用しない。聖職者においては違いが顕著で、スンニ派の聖職者は黒いターバンはしない。シーア派の聖職者は黒か白のターバンをする。

お祈りの言葉もちょっと違う。イマムの名前が書いてあれば、そのモスクはシーア派(アラビア語が読めなければ、これは意味がない)。スンニ派はお祈りの際、胸の高さで手を握るが、シーア派は低い位置で手を握る。

アリやフセインが殺された日であるアシュラに自分の体をくさりで打っていたら、その人はシーア派。

…なのだそうだ。

お祈りの際、じゅうたんの上に小さな石のようなものを置き、それに額を付けるのがシーア派、だと思っていたのだけど、それは書いていないなあ。あれはイランだけの風習ということだったのだろうか(シリア、レバノン、エジプトでは見かけなかったのだけれど)。

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2006年 3月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.02

私の名前はレイチェル・コリー

23歳というのは、およそ死ぬのには早すぎるし、ブルドーザーに轢き殺されるというのは、痛ましすぎる。しかし、3年前の3月、Rachel Corrie さんは、そうして生命を奪われた。パレスチナで。イスラエルによって。パレスチナの人の家が壊されるのを止めようとして。

New York Theatre Workshop では、イギリスの The Royal Court Theatre による "My Name Is Rachel Corrie" の上演を予定していたが、「シャロン首相が危篤状態に陥ったことと、ハマスが選挙で勝ったことによって」この劇を上演することが「政治的に用いられる」可能性が出たとして、無期限延期(事実上の中止)を決定した。

作者の Katharine Viner さんが Los Angeles Times への寄稿で、上演中止は政治的な圧力に屈するものであり、共著者の Alan Rickman さんの言葉を引用してそれが「恐怖から生まれた検閲」であるとし、不満を表明している。Viner さんはまた、この劇を観たイスラエル人や正統派ユダヤ教徒が述べた感想をもとに、この劇が反イスラエルであったり、政治的であったりするわけではないと主張している。

私自身この劇を観たわけではないので、結論じみたことは言えないけれど、おそらく、「パレスチナ人は(みんな)テロリスト」「パレスチナの闘争に同情を示すのはテロリストを支援するのと同じ」といった、極端な、しかし声高な、一部の世論を恐れての中止なのだろうな、と思う。きっと、北朝鮮をめぐる日本での言説と似たようなものなのではないか。

そのような圧力にもかかわらず、レイチェル・コリーさんの信念は生き続け、私たちに力を与え続ける。私のこの記事を含め、彼女が殺された3月16日をめぐり、多くの人が彼女の名を語り継ぎ、書き表していくに違いない。

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2006年 3月 2日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (5)

2006.03.01

ブイヤット湾住民代表は招かれず

Of Good Will and Evil ― インドネシア Tempo 誌の記事。ニューモント社(世界第二位の金採掘企業。スラウェシ島ブイヤット湾に廃棄物を投棄したため、湾岸の住民に奇病が広まったとされて告発を受け、現在マナド地裁で刑事裁判が継続中。先月、民事裁判はNewmont社がインドネシア政府に補償金を支払うことで和解が成立した)が和解の一環として「善意の基金」を創設するとして、北スラウェシのRatatotokで住民との会合を開いたのですが、肝心なBuyat Bayの住民代表は招かれなかったと伝えています。

住民代表(村長なのか自治会長なのかよく分かりません)のMakmun Paputunganさんが慌てて駆けつけてみると、Ratatotok地域の他の代表たちがニューモント社側に住民の救済ではなく「開発」を求めていたとのこと。ニューモント社の操業とは無関係な地域の代表が招かれていたのも不可思議だとしています。

和解合意に関しても、ブイヤット湾の住民だけでなく、National Mining NetworkやIndonesian Forum for the Environment (Walhi)などの環境団体、Indonesian Center for Environmental Law、国会議員などが、合意内容が違憲であるとか、合意は「ニューモント社による政府の買収だ」などの意見を表明していると記事は伝えています。

このブログでは、何の因果か、ブイヤット湾の公害に関するニュースを継続的に追っています。今までの経緯については、2月23日の記事およびそこに示した過去記事へのリンクをご参照ください。

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2006年 3月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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