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2005.11.24

憲法のこと

この AFP 電、なんとかしてもらえないものでしょうか。要約すると、「日本が60年ぶりに軍隊を持ちます。戦後初めて憲法が修正されます。自民党の修正案が結党50周年の会合で公式に提示されました。新しい憲法は戦争の放棄の文面を残すことにより、建前上、平和主義を維持します。野党民主党が修正を支持しているので、国会を通ることはほぼ確実です。その後、国民投票にかけられますが、世論調査によれば、すんなり可決される見込みです。この修正によって第9条の武力の保持を禁じた段落が削除されます」といった感じです。

私が他に読んだ報道はだいたい「日本が改憲に動き出した」みたいな書き方が多かったのですが、この AFP 電は、時制さえ変えれば、「はい、通りました」という報告の記事に即座に書き換えられそうな感じで、不気味です。

もしかして、「よし、これからが正念場だ」などと気構えると、実はもう遅かった、っていうやつ? いやいや、そんなはずはありません。がんばるぞー。

それにしても、第9条を第1項だけにしたら、ほとんど意味がなくなってしまいますよねぇ。第1項だけなら、1929年のパリ不戦条約の域に留まることになってしまう。

パリ不戦条約(ケロッグ・ブリアン協定)
第1條
締約國ハ國際紛争解決ノ爲戰爭ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互關係ニ於テ國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳肅ニ宣言ス
第2條
締約國ハ相互間ニ起コルコトアルヘキ一切ノ紛争又ハ紛議ハ其ノ性質又ハ起因ノ如何ヲ問ハス平和的手段ニ依ルノ外之カ處理又ハ解決ヲ求メサルコトヲ約ス

この文面に署名をしておきながら、日本はそれにあからさまに違反して、1931年9月18日の柳条湖事件を発端に中国との15年戦争を引き起こしてしまう。それによって、日本は、「戦争を放棄します」と言うだけではあてにならないということを、自ら証明してしまったのではないでしょうか。だからこそ、戦後、日本は、武力の不保持という、より踏み込んだ立場を示すことにしたのだと思います。

この点で、私たちは後戻りを許すことはできません。歴史修正主義者たちは、南京大虐殺はなかったとか、従軍慰安婦の強制連行を証明する資料はないとか言って、自分たちの歴史認識が誤りではないと主張しますが、それは煙幕にすぎないと私は思います。パリ不戦条約の署名国でありながら侵略戦争を行なったこと。パリ不戦条約の精神(後の憲法第9条第1項の精神)だけでは、日本の政府は、軍は、国民は、抑制を働かせることができなかったこと。そのことを歴史的な事実として再認識する必要があるのではないでしょうか。

追記:タイトルを変えました

2005年 11月 24日 午前 12:09 | | この月のアーカイブへ

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