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2005.10.24

ドクター・アトミック

二日連続でオペラについてですが、今日のは見に行ったわけではありません。

"Doctor Atomic" ― サンフランシスコ・オペラによってこのほど上演された John Adams 作曲、Peter Sellars によるリブレット("Nixon in China" のコンビである)の新作オペラ。ロスアラモスを舞台、原子爆弾の開発を指揮した核物理学者ロバート・オッペンハイマーを主人公に、1945年の夏を描く。

Slate の Daniel J. Kevles さんは、広島、長崎への原爆投下が戦争を終わらせるためではなくソ連による勢力拡大を防ぐために行なわれたとする歴史解釈や、実際には原爆投下を支持しただけでなく、軍に対して助言を与え、原爆が実際に用いられたことに「後悔したことはない」と語った Oppenheimer を政治や戦争には無関心な純粋な科学者として描いているリブレットに違和感を表明している。

San Francisco Chronicle の Joshua Kosman さんは、ジェンダーの線に従ってステレオタイプ化された登場人物の中にあって主人公のオッペンハイマーが「空な中心」をなしていると評し、アダムズの音楽をワグナー的だと形容している。プロダクション全体には好意的で、「新しい世紀の重要なオペラ・レパートリーとなった」としている。

The New York Times の Anthony Tommasini さんは、アダムズの音楽にほぼ無条件の賛美を送り、作品のフィナーレに描かれるトリニティ実験が、核爆発をアイコニックに表現した大音響ではなく、極めて静かな音楽と消え入るような「水をください」という日本語の声によって表わされていることを高く評価している。

Owen Smith さんのブログでは、John Donne の詩等を用いたリブレットを高く評価するとともに、音楽を「神秘的」と評している。

公式サイト www.doctor-atomic.com では、前奏曲など4曲が試聴可能となっている。

追記:このオペラについて取り上げている机の上の空にトラックバックを送りました。 紐育文化徒然草にもpingしてみたのですが、トラックバックできないみたいです。

2005年 10月 24日 午前 12:01 | | この月のアーカイブへ

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