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2005.06.01

ボース:忘れられた英雄

ものを知らないとステレオタイプに頼りがちになりますよね。私の場合、インド映画と言えば、なんか、むやみに男女が踊っているところを想像してしまいます。インドのみなさん、すみません。

先月(2005年5月)インドで公開されたインド映画 Bose: The Forgotten Hero ― 映画評を読む限り、この映画では踊る場面はなさそうです。ワシントンポスト紙の "An Indian Revolutionary Gains Favor Posthumously" という記事で知りました。

映画の主人公 Netaji Subhas Chandra Bose は、Indian National Army という組織を率いて英国のインド支配に抵抗した人。ガンディーと異なり、武装闘争を推進した人です。映画だけでなく、伝記などの出版が相次ぎ、“忘れられた英雄”であったスバース・チャンドラ・ボースがインドで再評価され始めているようです。

敵の敵は味方。ボースのインド国民軍はイギリスに対抗するため、ナチス・ドイツおよび日本から支援を受け、実際にビルマ・インド国境付近では日本軍と行動を共にします(日本軍のインパール地方侵略)。日本の戦争をアジア解放の闘いだったとする正当化の一つの根拠とされる史実ですが、ワシントンポストの記事だけでなく、インドの rediff の映画評でも、日本からボースに与えられた援助の少なさが言及されていますから、おそらく“解放闘争”への日本の貢献は、(一部の勢力によって)日本国内で宣伝されているほど大きくはなかったのかもしれません。映画でどのように描かれているのか、興味をひかれます。

ちなみに、ボースについて検索すると、「ホロコースト見直し」を提唱する歴史修正主義のサイトに特集があったり、イシハラ・シンタロウと名乗る日本軍の元将校(自称)がインドの新聞に「ボースがいなかったら、インドの北東部は共産主義中国の支配下におかれていただろう」という意見を寄せていたり、日本が連合軍に対して無条件降伏した三日後に台北から東京へ向かう飛行機の事故でボースが死亡したというのはでっちあげで、落ち武者伝説的にボースは生き延びたのだとする主張が大まじめにインドの民族主義系サイトで展開されていたりして、妖しさいっぱいです。

2005年 6月 1日 午前 01:00 | | この月のアーカイブへ

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「原点」Angkor wat:Siem Reao:1999/12:(C):JINTA 今日、久しぶりにテレビを見た。中国と韓国関連の話がかまびすしい。 で、ボースの言葉をおもいだした。重慶を北京とソウルに置き換えれば良い。いつも真実は普遍であり、深くて暗い場所に潜んで在る。表層や現象をだけ捉えて短兵急で雑駁な反応をしないでね。北京とソウルの諸君。(まあまあ、そうわあわあ騒がずにちょっと落ちつこうよ。と、いう事) 尚、文責はおれ。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^... 続きを読む

受信: 2005/06/08 11:58:31

コメント

チャンドラ・ボースはナチス・ドイツと軍国主義日本を股にかけて活躍した人物だけに、歴史修正主義の格好のヒーローですね。ドイツ側で編成された部隊でいえば、大西洋岸の防衛陣地につくインド兵の写真を見たことがあります。ロシア義勇兵は西部戦線に、オランダ、ベルギー、フランス義勇兵は東部戦線にと、ナチスは使い分けていたようです。いずれも外国人部隊には二戦級の装備しか与えていません。
「インドの北東部は共産主義中国の支配下に」云々は、中華人民共和国成立のさらに10年後にチベットが併合されたことを考えると、なんじゃらほい?といった感じですが。やっぱりボースは、それまで生きていたということでしょうか(笑)

投稿: 主義者Y | 2005/06/01 10:04:03

インドにボースの記念館ができたそうです:
Netaji Bose comes alive in Orissa museum
http://www.newkerala.com/july.php?action=fullnews&id=53550

あ、主義者Yさんに返事をしていなかったんですね。すみません。いつかいっしょに行きませんか、インド。なんて、ここに書いても読まないか。

投稿: うに | 2007/08/17 19:34:02

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