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2005.06.30

私にはアフリカが救えない

残念ながら、ライブ8のチケット抽選には当たらなかったみたいです(当たった人には30日午後8時にメールでお知らせを発送するとのこと。9時になったけどメールは来ません)。当たった人、おめでとうございます。たっぷり楽しんでください。

で、東京に行く必要がなくなったから、そのための交通費を寄付すれば、私は善い人なんだよなあ。だけど、できないんだ、これが。他の東京行きの予算に化けてしまいそうなのでありました。

7月1日追記:今日になって、当選のメールが来ました。う~む、残念なことに、もう行かないことにして明日の予定を立ててしまいました。

2005年 6月 30日 午後 09:20 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005.06.29

ITERはカダラッシュに

国際熱核融合実験炉(ITER)はフランスでの建設が決まったのですね。その代わりに日本には「関連施設」を建設するのだと報道されています。ニューヨークタイムズ紙の記事では、"materials testing center" が日本に作られると書いてあります。

4月に ITER の話題でここに書いた記事を読んだ友人がくれた資料を読むと(読んだ後の短い感想)、「関連施設」というのも怖い面がありそうですが、どうなのでしょう。

2005年 6月 29日 午後 09:36 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.28

イラクの“主権回復”一年

イラクでの“主権委譲”から一年が経ったらしい。なんか言葉の上だけの出来事だったように見えるせいか、AP電で「昔と今の数字」的な記事を読むまで、今日がそのような日だということは頭の中から完全に抜け落ちていた。

明るめの数字をいくつか挙げる。

  • 商業テレビ局 ― 一年前:13、現在:23
  • 電話加入者 ― 一年前:1,200,000、現在:3,172,771
  • インターネット加入者 ― 一年前:59,000、現在:147,076

あまり変化が見られない数字もある。この辺の数字が、「復興」と呼ぶのがいいのか「占領」と呼ぶのがいいのかの判断の分かれ目かもしれない。

  • 失業率 ― 一年前:30-40%、現在:27-40%
  • 一日あたり、停電していない時間 ― 一年前:10時間、現在:9.4時間

各種死傷者の数等は、悲しくなるので再録しないことにする。

2005年 6月 28日 午後 03:19 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.27

「ホームレス入門」を読んだ

数日前に書きとめた西成公園のホームレス立ち退きの話について調べていて、風樹茂さんという人のサイトを見つけ、彼の『ホームレス入門』(2001、2005 角川文庫)を読みました。風樹さん自身がリストラで失職し、3歳の息子さんとともに上野公園を歩き、出会ったホームレスの人たちとのやり取りを記録した本です。書き手自身にとっても新たな発見であったであろう事柄が次から次へと出てくるのと、それにも関わらず非常に着実な文章で書かれているのとで、とても楽しく読むことができました。

著者が一目置いた都の公園事務所の役人との会話の部分では、私も思わず「なるほど」と思いました:

「公園には避難所という役割もあるんですよ。先ほども説明しましたが、関東大震災や前の戦争のときにもずいぶんここに非難したのですよ」
その話を聞いて私は目からうろこが落ちた。初めてお役人からためになる話を聞いた。
「なるほど、じゃあバブルという人災にあって彼らホームレスが経済難民として避難しているということでは、まさに公園の機能を果たしているということですね」

復帰支援にマイクロクレジットをやったらどうか、などの提言も、頷くべきところがたくさんあるように思いました。お薦めします。

「入門の次は中級かな?」とか考えながら、同著者の『ホームレス人生講座』(2002、中公新書ラクレ)も週末に読んでみました。ホームレスになった人たちの半生を追うことを通じて、現代日本のかかえる問題を描こうという姿勢なのですが、私は何か一つの視点で社会の全貌が明らかになるというような話を煙たく感じる読者なので、残念ながらこっちはちょっと私の感覚と合いませんでした。また、前著で存在感が大きかった著者とその家族が、こちらでは(皮肉なことに)「透明な存在」になってしまっているような気がしました。

実は私、荷宮和子さんの『声に出して読めないネット掲示板』や香山リカさんの『ぷちナショナリズム症候群』(どちらも中公新書ラクレ)を読んだ時も、今回と同じような「説教臭さ」みたいなものを感じてしまったので、もしかすると、この新書シリーズの編集方針が私には体質的に合わないのかもしれません。

独り言のごとく。私自身、失業保険で暮らしていたこともありますし、良くも悪くも自分がもう少し「純」だったらホームレスになっていたかもしれないと思い当たる契機も何回かありました。全然、他人事ではないんです。

2005年 6月 27日 午後 08:08 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.26

ライブ8・ジャパンの続報

ライブ8・ジャパンの受付が始まったようです。幕張メッセにて7月2日(土)午後2時開演。エキサイト・チケットに口座を作り、6月29日(水)までに募金の入金確認ができた人から抽選で入場者が選ばれるそうです。かなり綱渡り的な日程?

出演者はビョーク他。個人的には、ぜひ行きたい、という顔ぶれでもないかなあ。とりあえず、募金は明日振り込んでみようと思います。

2005年 6月 26日 午後 03:58 | | コメント (0) | トラックバック (2)

琵琶湖の水位

私は京都と大阪の府境のあたりに住んでいるのですが、毎日暑いです。というか、天気予報を見ると、これからもしばらく暑さが続きそうです。やれやれ。

梅雨入り後も、ほとんどまとまった雨が降っていません。今後の水不足が心配なので、このブログの左欄下部に、琵琶湖の水位を表示することにしました。国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所が毎日発表する数値を加工して表示しています。こんなふうに(自分のページの中にインライン要素として)使っていいかは、現在問い合わせ中です。ダメだと言われたら、撤去するつもりです。

この琵琶湖河川事務所のサイトは非常によくできていて、水位の変化が毎日グラフで示されていたり、各種お知らせ等が rss で発信されていたりします。

今日(6月26日)は、-26cm となっていますが、夏季はもともと-20cm を基準としているそうなので、まだ顕著に水位が低下しているわけではないようです。少しほっとしました。

さて、去年はアジア各地で洪水が起きました。今年も、中国では広東省などで洪水で多くの人が亡くなっているようです。一方、インド、バングラデシュ等では熱波と少雨が問題となっています。日本はどうなるでしょう。どこの国に暮らす人にとっても、つつがない日々となりますように。

2005年11月6日:琵琶湖の水位表示を取り外しました。

2005年 6月 26日 午後 01:03 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.25

くじらバーガー

「牛肉は食べてもいいのに、なぜクジラはダメなのか!」という戦闘的な脱構築の問い掛けであるならば、それなりに意味もあったかもしれないと思うのですが、販売者や発案者のコメントから察するには単に鯨肉市場拡大のための捕鯨業者の戦略に過ぎなかった鯨バーガー(北海道新聞朝日新聞地方版)。

IWC で日本の捕獲量増の提案がすべて否決された直後に売り出すというのは、あまりに傍若無人ではないでしょうか。なんか、小泉首相の靖国参拝などと似てますね。この国の基調がそんな感じなのでしょうか。

南アフリカの新聞アルジャジーラでも取り上げられています。「調査捕鯨」というのが茶番であることをより広く世界に知らせただけに終わったみたいですね。それでもって、「固有の文化が理解されない」とか言ってフラストレーションを溜めるだけの悪循環の構図がまた一つ。

先日書いたクジラ関係の記事にトラックバックをくださったどんぶるさんにトラックバックを送ります。

2005年 6月 25日 午前 10:06 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.06.24

気前の悪い国

Tsunami donors get mixed 'generosity' ranking ― Reuters の AlertNet に掲載された、2004年末のインド洋大津波への拠出額ランキング。右側の国民一人当たりの拠出額で見ると、日本がやけに貧弱に見える。特に、政府ではなく民間の拠出額(一人100円ぐらい)の低さは何なんだ? 自分のまわりを見る限り、にわかに信じがたい数字だが… 個人の募金が少なかっただけでなく、企業としての取り組みが盛り上がらなかったのかなあ、とか思う。

2005年 6月 24日 午前 10:19 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.23

ディスコで踊ろう!

私は運動神経が鈍いので、踊りも下手で、淋しく哀しい青春時代を送ったわけですが、あのころ、このビデオを見て練習することができていれば、きっと、もっとバラ色の人生が開けていたのではないかと思います。

Thomas Sandvik さんのサイトFun のページにある "Learn Disco" (3分46秒、37.6MB mpg ファイル) ― 解説はフィンランド語ですが、よく分かります。John Dvorak さんのブログより。

う~む、やみつきになります。このビデオ。えっ、今からでも遅くない? 人生はこれからだ? そうか、練習、練習。一、二、三、四、…

2005年 6月 23日 午後 09:34 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.22

終わりではなく、始まりである

ミシシッピ州で41年前に市民運動家が人種差別主義者に殺害された事件の裁判で有罪の評決が出ました(地元紙 The Clarion Ledger の記事)。ただし、murder (計画性のある殺人)ではなく、manslaughter (計画性のない殺人)です。前日まで、陪審員の意見が半々に割れていると伝えられていたので、妥協が図られた結果なのでしょう。

殺された市民運動家の一人 Michael Schwerner さんの妻だった Rita Bender さんは、「これが終わりではなく、始まりであることを願っています。いったい何が起こったのかを知るために、この有罪評決が一つの手がかりになることを望んでいます」と語り、アメリカ市民の間で人種問題に関する対話が深められ、同じころ起こったその他の虐殺事件の真相、特にミシシッピ州の公権力の関与の実態が明らかにされる必要があるとしています(記事)。

地元の市民運動団体の代表は、この評決が「この国が過去としっかり向き合い、未来に向かって歩み出そうとしていることを意味している」と語っています。

日本の保守勢力が身勝手に使っている「未来志向」という言葉は、本来はこういう意味だったのではないでしょうか。

この裁判について、および過去を問う姿勢について書いた記事:

2005年 6月 22日 午後 10:18 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.21

ホームレス(ジンバブエで、大阪で)

ジンバブエで Mugabe 大統領がスラム街の撤去を強行し、約20万人が家を失ったらしい(ロイター電)。

それと相前後して、indymedia で日本のホームレスに関する記事が流れてきた:Resistance and Refusal in Osaka ― 大阪市西成区の西成公園(津守公園)のテント村の撤去計画が進みつつあることを伝えている。

2005年 6月 21日 午後 10:09 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005.06.20

長崎、1945年

毎日新聞が掲載した George Weller 記者の長崎第一報へリンクをはる:

  1. 英文和訳 ― 「この爆弾が他のどの爆弾とも異なるという証拠は見つからない。」
  2. 英文和訳 ― 「後になって症状が現れた患者らは爆発から1カ月たった今も、1日約10人の割合で死亡しているという。」
  3. 英文和訳 解放された連合軍兵士たちに対する取材
  4. 英文和訳 ― 「原爆がもたらす特異な「疾病」は、医師による診断が下されないため、処方も治療もされず、ここ長崎で多くの人々の命を奪っている。目立った外傷のない男女や子供が次々、病院で死んでいく。」

原爆投下ほぼ一か月後の長崎に連合国側のジャーナリストとして最初に入り、書かれたこの記事は、占領軍当局によって発行差し止めになったそうだ。毎日の國枝すみれさんによる記事英訳

agata さんの私的スクラップ帳によれば、記事原稿自体の発見は昨年にボストン・グローブ紙で既報とのことだ。記事本文が活字になったのは、今回が初めてのことなのだろう。全文を掲載した毎日新聞に敬意を表したい。

ウェラーさんの記事を読んで、60年前、人々は放射線の体への影響についてまだあまり知らなかったのだということがよく分かった。さまざまな不幸を通じて私たちの知識は豊富になった。しかし、その知識は「だから核兵器を廃絶しよう」という意志を強く支えるには不足だったようだ。

2005年 6月 20日 午後 09:47 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.06.19

貧困を過去のものに

「ライブ8」コンサートが東京でも開かれるという話なのだけど、だれが出るんだろう。どこでやるんだろう。東京では盛り上がっているのだろうか。7月2日なんだよね?大丈夫か?

Live 8 - the Long Walk to Justice からたどった「ほっとけない 世界のまずしさ」のサイトにネルソン・マンデラのスピーチのビデオがある。私のところではどうしても途中で切れてしまうのだけど、探したら、書き起こしたものが Oxfam のサイトにあった

2005年 6月 19日 午前 12:00 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.18

ミシシッピ・バーニング裁判、公判始まる

映画 Mississippi Burning で描かれた殺人事件の40年ぶりの裁判は、ようやく陪審員が選出され、動き出した(地元紙 The Clarion-Ledger の記事)。最初の証言は、殺された市民運動家の妻、Rita Schwerner Bender さんが予定されている。

陪審員および補欠要員は、白人男性9名、白人女性4名、黒人男性2名、黒人女性2名(人種と性別の並べ方は上記新聞記事の表現を踏襲しました)。このうちの12名(白人9名、黒人3名)が陪審員に任命されているが、だれが陪審員でだれが補欠要員であるかは知らされていないらしい。年齢、職業などの内訳はこうなっている

人種差別主義者団体 KKK の構成員が裁判の傍聴に来ていることが報じられている(記事の中で言及されているサイトはここらしい。日本の国粋主義者たちのサイトより更にケバい感じがする。でも、このページなど、“アニメ少女萌えの右翼”と一脈通じるところがあるような気も… ちょっと違うか)。アメリカ南部の市民団体からは、陪審員への圧力になるのではないかとの懸念が表明されている。

これまでに書いた Killen 裁判に関する記事:

2005年 6月 18日 午前 02:41 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.17

取り繕う

エジプト人のブログ The Big Pharaoh で、先月の下旬に Laura Bush がエジプトに行った際のある逸話が紹介されている。

アレキサンドリアに合州国政府の機関 USAID の協力で修復された学校があり、そこをムバラク大統領夫人とブッシュ夫人が訪れたのであるが、校舎や周辺の状態が非常に悪かったため、訪問の一週間前になって、慌てて修復がなされたらしい。

更に、子どもたちが貧しい地区の出身で見苦しいというので、その学校の教師と生徒には一週間の休みを言い渡し、替わりに近隣のエリート校から生徒をバスで連れてきて、歓迎行事にあたらせた、というのである。

英インディペンデント紙が、13日に Kamelia Hegazi 教育相が国会でそのような事実はないと発言したと伝えており、真偽のほどは不明だが、“親米的な独裁政権のもと、市民が尊厳を踏みにじられるような扱いを受けていて、それが不満や憎悪の底流を作り上げている”という図式での理解が促されてしまうような話である。

2005年 6月 17日 午前 11:22 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.16

チェルノブイリの旅

New Sight in Chernobyl's Dead Zone: Tourists ― ニューヨークタイムズ紙の C. J. Chivers さんによるチェルノブイリ旅行記。写真と語りによるエッセーもある。

2002年から旅行者の立ち入りが許可されているらしい。記事とエッセーからは、核事故の悲惨さそのものよりも、事故当時の慌てぶりとその後19年の時の流れによる荒廃が強く伝わってくる感じがする。

ウクライナの旅行会社によるツアー情報ページ。一日の行動予定が記載されている。ツアーに参加したジャーナリストが書いたページに、ツアーによらず個人で旅行を計画する際の連絡先等が書いてある。

これまでに書いたチェルノビリ関係の記事:

2005年 6月 16日 午前 12:03 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.06.15

捕鯨は必要か

SCIENCE, PROFIT AND POLITICS: Scientific Whaling in the 21st Century ― 世界的な環境保護団体 WWF がまとめた、捕鯨に関する報告書。日本が“調査捕鯨”として行なっている「調査」は、クジラを殺さない方法によっても同程度の情報収集が可能であるという主張らしい(通り一遍にに目を通しただけで書いています)。この報告書への導入の記事がこちらにある。

捕鯨関係の記事:

2005年 6月 15日 午前 12:13 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.06.14

ニカラグアの労働運動

6月10日の Democracy Now! の放送では、中央アメリカ自由貿易協定(CAFTA)の話題が取り上げられていて、その中に日本企業に関する話があった。他の経路での確認は、試みたものの、まだできていないので、誤報の可能性もあることをご承知願いたい。

ARNECOM という日本とメキシコの合弁企業がニカラグアに工場を持っていて、Ford、トヨタ、日産の下請けで自動車部品を作っている。二年半ほど前に工場ができたときには、週給50ドルを約束していたが、実際には21.21ドル、時給にして44セントしか払われていなかった。2月にストライキが発生し、時給は3セント上がった。女性の工員が妊娠していないかどうかの検査を受けることを義務づけられていたり、工場内が非常に暑い、生産目標が非現実的に高いなど、依然、不満は多い。労働者たちは組合を作ろうとしたが、会社側は御用組合(sindicato amarillo = “黄色い組合”)を作った上、組合結成に向けて指導的な立場にあった労働者3名を5月末に解雇した。

という話である。日本人としては、そのまま聞き捨てにしてはならないような気がして、調べてみた。ARNECOM矢崎総業とメキシコの Xignux 社との合弁事業であることが分かったので、矢崎総業の米州統括部に問い合わせてみたのだが、ストライキ等、全く話を聞いていないとのことだった。

現在、放送でこのことを取り上げたアメリカの労働団体 the National Labor Committee に問い合わせているが、まだ返答をもらっていない。

2005年 6月 14日 午前 08:01 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.13

斃れた者よ、安らかに

日本遺族会(会長・古賀誠自民党元幹事長)は11日、都内で幹部会を開き、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「遺族会の悲願で有り難いが、並行して英霊が静かに休まることが一番大事だ。近隣諸国に配慮し、理解してもらうことが必要だ」との見解をまとめた。(産経、6月12日の記事

本当に悼む人たちと、戦争を美化して利用しようとする人たちの違いが出たということなのだろうか。日本遺族会の方々はきっと靖国神社に対する信仰も篤く、複雑な思いがあるのだろうと察するけれど、こういう時期にこういうことが言えるのは立派だと思う。

きっと小泉首相も、靖国参拝を貫き通す必要がなくなって、内心ほっとしていることだろう。

私自身は、靖国神社は軍国主義の体質をそのまま受け継ぎ再生産する仕組みとして機能していると思うから快く思わないし、そこに閣僚が参拝することは本来、憲法第20条に照らして問題があるのであって“近隣諸国への配慮”が問題の焦点であるとは思わない。それでも、遺族が死んだ者たちの「静かに休まることが一番大事」と思う気持ちは、心の底から、とてもよく理解できる。

2005年 6月 13日 午後 02:23 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.12

作家の声を聞く

Wired for Books ― 英米文学が好きな人には堪らないサイトにめぐり会いました。詩や小説などの朗読や、作家のインタビュー(1980年代から90年代の初めにかけて収録されたようです)が“てんこもり”です。私は今ひたすら感動しています。

音声ファイルは RealAudio 形式ですが、このサイトを紹介していた MetaFilter の記事のコメントに、FlashGet などのダウンロードマネジャーを使えば rtsp:// なファイルも入手できて、Switch というアプリを使えば rm ファイルが mp3 に変換できることが説明されていました。私も無事、iPod に入れることができました。

2005年 6月 12日 午前 06:04 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005.06.11

知らなかったことは起こらなかったこと

イスラエルの公共放送で長年ニュースの顔を務めてきた Haim Yavin さんが自ら撮影したドキュメンタリーが先月末、公開された。パレスチナのユダヤ人入植を辛辣に告発するものである(P-navi info のビーさんによる記事)。タイトルは "Yoman Masa" 「旅の日記」とも "A Land of Settlers" 「入植者の地」とも伝えられている。

"The three monkeys of Israeli media" で Eve Sabbagh さんが Haaretz の Gideon Levy さんテルアビブ大学コミュニケーション社会科学科の Daniel Dor さんへのインタビューを交えて、ヤヴィンさんのドキュメンタリーの意味を考察している。ヤヴィンさんが声を上げ、隠されてきた真実を伝える努力をしたことは評価に値し、また、この番組によってイスラエル国内に議論が起こったことは確かだが、入植地問題の解決に結びつくほど強い影響は及ぼさないだろう、というのが主な結論。その背景には、特に2000年のキャンプ・デービッド会談以降に顕著になったイスラエルにおける報道、言説のあり方がある。

ドールさんの研究によれば、イスラエルのメディアによる報道には三段階の体系的な再解釈の仕組みが働くとされる。第一に、イスラエルの市民が触れることができるパレスチナに関する情報は非常に少ない。次に、イスラエルの支配的な言説がその情報を出来合いのイスラエルの集団的アイデンティティに沿って再構成してしまう。そして、ドールさんによれば「イスラエルには、中東で起こることに関して、いつも、イスラエルが悪いと世界中から言われているという強い感覚がある。」
「イスラエル人は、実際には起こっていないことに関し、世界中から責められていると考える。何も知らされていなかったから、実際には起こっていないと考えてしまうのだ。では、なぜ知らされなかったかと言うと、イスラエル国内の主流の言説とは違って聞こえるものは、すべて即時に再構成されてしまうからだ。」

何やら、過去の日本の植民地支配や戦争に関する言説にもあてはまるような記述である。

2005年 6月 11日 午前 10:21 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.10

ブイヤット湾訴訟、調停へ

インドネシア・スラウェシ島のブイヤット湾でヒ素などによる汚染を起こし、住民に健康被害を与えたとして金採掘業者のニューモント社(PT Newmont Minahasa Raya)が告訴された訴訟で動きがあった。ニューモント・ミナハサ・ラヤ社(米 Newmont Mining Co. の現地子会社)とインドネシア政府は6月7日、法廷外の示談によって問題を解決することに同意した。期限は一か月。5月半ばごろから、政府側が調停による解決の道を探っていた。インドネシアの国営アンタラ通信ロイターなどが伝えている。

今までに書いたニューモント社関係の記事:

2005年 6月 10日 午前 08:07 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.09

劣化ウラン教則本

Depleted Uranium Training for Chemical Soldiers (Word 文書、154k) ― アメリカ陸軍第84化学歩兵大隊のサイトにある、劣化ウラン弾攻撃後の注意事項等に関する文書。教官が兵士に教える際の教師用指導書で、別に新しいことが書いてあるわけではない。放射能に関してはさほど心配ない(例の、レフリー付きの学会誌には健康被害の報告が一件もない、というやつ)が、発火して粉塵となったものを吸入した場合などの重金属の化学毒性については注意するように書いてある。

劣化ウランについては私はほとんど知らないのだけれど、化学的な特性ではなく放射線の影響に関して注意をひかれた記述は、

  1. 湾岸戦争の時に劣化ウラン弾の破片が体内に入ったままになっていて、継続的に健康状態をモニターしている復員兵の多くが、尿検査の神経内分泌系の数値や神経心理学的なテストで異常を来たしている(p.22)
  2. 皮膚にじかに触れたまま250時間経過すると、被曝の年間安全基準を超過する(p.23)

といったところである。2 などは、すぐに去っていく兵士はいいのかもしれないが、ずっとそこに住み続ける人たちにとっては、無視できない危険性のようにも思われる。

2005年 6月 9日 午後 09:19 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.08

135年ぶりの新作

『三銃士』の著者アレクサンドル・デュマ(父)の遺作となった未完の新聞連載小説がフランス国立図書館で発見され、このほど出版された。 Le Chevalier de Sainte-Hermine (サント・エルミーヌの騎士)という題名で、1,000ページあまりの冒険小説。主人公はトラファルガー海戦でイギリスのネルソン提督を撃ち殺すのだそうだ。Expatica のフランス関係ニュースで読んだ。

2005年 6月 8日 午後 09:51 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.07

ダウニング・ストリート・メモと歴史の審判

イラク戦争が始まる半年以上前の2002年7月に、ブッシュ政権は何が何でもイラク侵攻を実施すると決めていたことを示す「ダウニング・ストリート・メモ」が明るみに出て、一か月が経った。AfterDowningStreet.org は、このメモに関して、合州国議会での審問を求めて立ち上げられたウェブサイト。The Nation の Steve Cobble さんの記事で知った。

The Nation では、この他、アメリカが開戦以前の長い間、イラクの no-fly zone への爆撃を行なってイラク軍を挑発していたことを告発する Jeremy Scahill さんの記事も注目に値する。

なんとなく、イラク戦争の不当性に関する歴史の審判は既に決したようにも思われる。今後、「いや、あの戦争はやっぱり正しかったのだ」と示唆するような資料が出てくることって、あるのだろうか。

暗いニュースリンク:暴露された極秘文書「ダウニングストリートメモ」の重大性の記事にトラックバックを送ります。

2005年 6月 7日 午後 11:34 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.06

コモンズとしてのBBC

backstage.bbc.co.uk ― イギリスBBCが提供する一部の RSS フィードや API を自由に使ってください、という気前の良い申し出ですが、自分の力でできそうな面白い利用法が考えつきません。

せめて日本語版のニュースでもあればと思うのだけど、BBC は日本語放送がないんですね。他言語話者のための日本語教育に携っている身としては、ぜひとも日本の公共放送局などもコンテンツをある程度オープンにしてほしいと思います(いや、民間の会社がオープンにしてくれても、いっこうに構わないのですけれど)。

さほどの関連もなく、私が勝手に作っている北海道新聞音声ニュースのポッドキャスティング風フィード(月から金の毎日更新)を再び宣伝。作った本人は、日本語教育に役立つといいなあ、と思っているのですが、このままじゃどうにもなりませんね。

2005年 6月 6日 午後 09:09 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.05

カリフォルニアの図書館

「怒りの葡萄」などで有名なアメリカの小説家 John Steinbeck の故郷の町 Salinas が財政難のために図書館を閉鎖するらしいという話は、たしか春先に日本の新聞でも紹介されていた。

In Steinbeck country, we said no to closing the libraries は、この危機に小説家や詩人などが図書館前で行なった24時間朗読会 "read-in" のようすを描いている。

残念ながら、依然としてサリナス市の図書館の将来は不透明である。

市の図書館の一つに Cezar Chavez の名前が付けられているのを知って、感銘を受けた。Cezar Chavez はメキシコからの農業労働者の組合運動を推進した運動家だ。尊敬しています。

2005年 6月 5日 午後 11:20 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.04

有害図書認定

アメリカの保守系週刊誌 Human Events が選んだ、19世紀・20世紀の最も有害な書籍リスト。…と聞いただけで、わくわくしませんか? 左寄り、もしくはリベラルなバイアスが強く、反キリスト教的な書籍ということだと思いますが、正直なところ、左寄りでリベラルを自認する私は、自分が得意とする分野(?)でも、いかに本を読んでいないかを思い知らされ、ちょっと落ち込んでいます。

できるだけ邦題を確認するようにしましたが、間違っているのがあるかもしれません。本当なら多言語表記にして、著者の生年没年とか電子テキストなり出版社なりへのリンクとかを付けたいものですが、リストを打ち込むだけで疲れてしまいました。

では発表します。もったいを付けたわりに、わりと平凡なリストかもしれません。

  1. カール・マルクス、フリードリッヒ・エンゲルス『共産党宣言』
  2. アドルフ・ヒトラー『我が闘争』
  3. 毛沢東『毛沢東語録』
  4. アルフレッド・キンゼー『キンゼー・レポート』
  5. ジョン・デューイ『民主主義と教育』
  6. カール・マルクス、フリードリッヒ・エンゲルス『資本論』
  7. ベティー・フリーダン『新しい女性の創造』
  8. オーギュスト・コント『実証哲学講義』
  9. フリードリッヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』
  10. ジョン・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』
  11. ポール・エーリック『人口爆弾』
  12. ウラジミール・レーニン『何をなすべきか』
  13. テオドール・アドルノ『権威主義的パーソナリティ』
  14. ジョン・スチュアート・ミル『自由論』
  15. B.F.スキナー『自由と尊厳を超えて』
  16. ジョルジュ・ソレル『暴力論』
  17. ハーバート・クローリー『The Promise of American Life』
  18. チャールズ・ダーウィン『種の起源』
  19. ミシェル・フーコー『狂気の歴史』
  20. シドニー・ウェッブ、ビアトリス・ウェッブ『ソビエト社会主義:新しい文明』
  21. マーガレット・ミード『サモアの思春期』
  22. ラルフ・ネーダー『Unsafe at Any Speed』
  23. シモーヌ・ド・ボーヴォワール『第二の性』
  24. アントニオ・グラムシ『獄中ノート』
  25. レイチェル・カーソン『沈黙の春』
  26. フランツ・ファノン『地に呪われたる者』
  27. シグムント・フロイト『精神分析入門』
  28. チャールズ・ライク『緑色革命』
  29. ローマクラブ『成長の限界』
  30. チャールズ・ダーウィン『人間の進化と性淘汰』

ふと、反戦・平和系のものがないなーと思ったり。

これまでに書いた関係のある記事:

2005年 6月 4日 午前 12:02 | | コメント (5) | トラックバック (3)

2005.06.03

かつてここにファルージャという都市があった

Juan Cole さんの Informed Comment 経由で知ったファルージャのビデオ。イタリアの Diario 紙のサイトにある。

2005年1月の撮影。廃墟、と言えばいいのだろうか。どの建物も壁が壊され、ほとんど人の気配がない。ビデオの後半にはかなりの数の死体が写されている。主に、埋葬の場面だ。ビデオの中で一か所、既に埋葬された死体を掘り返して確認している場面がある。全体に画質が悪いので、よく分からなかったのだけれど、コールさんによれば、死体の入れられた袋を開けた人は「子どもだ!子どもだ!」と言っているのだとのこと。

高遠菜穂子さんの講演会に行った際、イラク西部で結婚式会場が空襲を受けた跡のビデオを見せていただいたのだけれど、それよりも静かというか、淡々としている感じ。私は、憤りというよりも、諦めを感じてしまった。私たちは戦争の写真をそれなりに見慣れてしまっているけれど、この建物が自分の家の近くの商店街だったら、と考えながら、もう一度、このビデオを見てみよう。

2005年 6月 3日 午前 12:02 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.02

ニコバル諸島、続報

Paradise lost: tsunami crushes age-old Indian tribe ― 昨年末の津波で被害を受けたインドのニコバル諸島からのレポート。インド国籍の人でも訪れるには政府の許可証が必要なこの地に外国メディアが入るのは非常にめずらしい。

Car Nicobar 島では、公式統計で850人が死亡、おそらくは被害は遥かに甚大だと言われている。いわゆる“文明から隔絶された”暮らしをしていたニコバル人だが、伝統的な漁業やココナッツ栽培が打撃を受け、“文明社会”に取り込まれつつあるらしい。部族社会は仮設住宅によって核家族化され、飲酒が増える、助け合いの精神が消えつつあるなど、社会に大きな変化が現われている。一方、復興はほとんど進んでおらず、また政府による補償や食料支給が少ないため、生活は貧窮を極めているらしい。

スマトラの地震の後、書いた Nicobar に関する記事:

ちなみに、アンダマン・ニコバル諸島は、昨日書いたボースのインド暫定政府と日本の関係の中にも登場する。リンク先を失念してしまったのだが、ある日本語のサイトでは、日本がインド暫定政府への支持表明のため、アンダマン・ニコバル諸島を明け渡したと書いてあった。あるインドのサイトでは、ボースが交渉したが、日本政府はこれらの島々をボースたちには明け渡そうとしなかったと書いてあった。今調べたら、「日本が占領し、名目のみ Provisional Government of Azad Hind に移管された」との記述があった。真相はいかに。

2005年 6月 2日 午前 12:18 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.01

ボース:忘れられた英雄

ものを知らないとステレオタイプに頼りがちになりますよね。私の場合、インド映画と言えば、なんか、むやみに男女が踊っているところを想像してしまいます。インドのみなさん、すみません。

先月(2005年5月)インドで公開されたインド映画 Bose: The Forgotten Hero ― 映画評を読む限り、この映画では踊る場面はなさそうです。ワシントンポスト紙の "An Indian Revolutionary Gains Favor Posthumously" という記事で知りました。

映画の主人公 Netaji Subhas Chandra Bose は、Indian National Army という組織を率いて英国のインド支配に抵抗した人。ガンディーと異なり、武装闘争を推進した人です。映画だけでなく、伝記などの出版が相次ぎ、“忘れられた英雄”であったスバース・チャンドラ・ボースがインドで再評価され始めているようです。

敵の敵は味方。ボースのインド国民軍はイギリスに対抗するため、ナチス・ドイツおよび日本から支援を受け、実際にビルマ・インド国境付近では日本軍と行動を共にします(日本軍のインパール地方侵略)。日本の戦争をアジア解放の闘いだったとする正当化の一つの根拠とされる史実ですが、ワシントンポストの記事だけでなく、インドの rediff の映画評でも、日本からボースに与えられた援助の少なさが言及されていますから、おそらく“解放闘争”への日本の貢献は、(一部の勢力によって)日本国内で宣伝されているほど大きくはなかったのかもしれません。映画でどのように描かれているのか、興味をひかれます。

ちなみに、ボースについて検索すると、「ホロコースト見直し」を提唱する歴史修正主義のサイトに特集があったり、イシハラ・シンタロウと名乗る日本軍の元将校(自称)がインドの新聞に「ボースがいなかったら、インドの北東部は共産主義中国の支配下におかれていただろう」という意見を寄せていたり、日本が連合軍に対して無条件降伏した三日後に台北から東京へ向かう飛行機の事故でボースが死亡したというのはでっちあげで、落ち武者伝説的にボースは生き延びたのだとする主張が大まじめにインドの民族主義系サイトで展開されていたりして、妖しさいっぱいです。

2005年 6月 1日 午前 01:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

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