十(あるいは二十六)の忘れられた危機
3月10日に発表された FACTSHEET: AlertNet top 10 'forgotten' emergencies ― ロイターの AlertNet が世界の人道団体等に対して行なったアンケート結果。もっとメディアが、そして人々が、注目すべき世界の危機を挙げている。記事には、それぞれの問題についてのリンク集がある。
- コンゴ民主共和国 ― 近隣諸国を巻き込み、1998年以降、380万人(一説には500万人)が死んだとも言われる。現在も330万人が支援の届かない状態に置かれている。
- ウガンダ ― Lord's Resistance Army というカルトが北部で蜂起して18年。10万人が死亡、3万人が拉致、主にAcholiland地方の180万人が家に住めずに避難民キャンプに居住している。
- スーダン ― Darfur では過去1年で7万人(国連からの最新の数字では、18か月で18万人)が殺害され、200万人が家を追われている。400万人に支援が必要。南部では、21年間続いた内戦で200万人が死亡、550万人以上が家を追われた。Nuba 山地、Southern Blue Nile、Abyeki などでも緊張が高まっている。
- AIDS ― 4,000万人の HIV 感染者のうち、3分の2がサハラ砂漠以南のアフリカに居住。中国やインドでも感染が急速に広がっている。
- 西アフリカ ― リベリア、コートジボアール、シエラレオーネでの紛争。シエラレオーネでは人口の半数が家を追われている。
- コロンビア ― 40年に及ぶ紛争で、300万人が家を追われている。
- チェチェン ― 60万人が国内避難民に、21万人が国外への難民となっている。
- ハイチ ― 人口の55%が一日1ドル未満で生活。子どもの42%が栄養不良。HIV 感染率は約10%。ハリケーンによる被害も大きい。
- ネパール ― 毛沢東主義の武装勢力との内戦で20万人が家を追われ、支援も届いていない。人口の40%が貧困にあえいでいる。Gyanendra 国王による権力の掌握が紛争を激化させる恐れ。
- 感染症 ― マラリアで年間100万人が死んでいる。感染者数は毎年500万人。結核で年間200万人が死んでいる。新感染者数は毎年390万人。デンゲ熱で年間24万人が死んでいる。
選からもれた「危機」に関する記事もある。
- ソマリア ― 28万人が国外難民、35万人(人口の5%)が国内避難民。出産婦の死亡率は10万人に1,600人にのぼる。
- 飢餓 ― 全世界で8億人が栄養失調。エリトリアでは4年連続の干ばつのため人口の3分の2にあたる230万人が援助を必要としている。
- ビルマ(ミャンマー) ― 政府と少数民族の対立により、200万人が家を追われている。地雷原も多い。
- ルワンダ ― トゥツィ族へのジェノサイドの中で、HIV 感染が広がった。
- 自然災害 ― 過去10年間に自然災害で50万人が死に、25億人が影響を受けた。被害の98%は発展途上国のものである。97%は洪水、ハリケーンなどの水害によるもの。
- フィリピン ― 南部のムスリムによる蜂起で、12万人が死亡。家を追われた者は100万人にのぼる。
- 貧困 ― 13億人が苛酷な貧困にあえいでいる。30億人は一日2ドル以下で暮らしている。サハラ砂漠以南では、毎日15,000人の子どもが貧困が原因で病死している。
- 水不足 ― 安全な飲み水が確保できない人が11億人いる。2020年には、水不足の被害は23億人まで増えると考えられる。アフガニスタンでは安全な飲み水が手に入るのは人口の3%に過ぎない。
- 対外債務 ― サハラ砂漠以南諸国からG7諸国や世界銀行などに対し、毎日3,300万ドルの返済が行なわれている。
- 西サハラ ― モロッコと遊牧民の Saharawi 人の間の紛争でアルジェリアへの難民流出が続いている。
- 人身売買 ― 毎年60万から80万の人が意志に反して国境を越えているとの推計がある。タイ、ガボンなどで子どもの被害が大きい。
- アチェ ― 30年近く続く内戦でインフラが破壊されている。津波によって40万人が家を失い、マラリアやはしかなどに感染する危険がある。
- モンゴル ― 厳冬と夏の干ばつの連続(dzuds)によって、遊牧に壊滅的な被害が出た。人口の3分の1、都市部では7割が貧困世帯。
- チェルノブイリ ― ベラルーシ、ロシア、ウクライナでの健康被害が続いている。
- インド ― 地下水のフッ素汚染で2,500万人が被害を受けている。西ベンガルで1,300万人がヒ素汚染の被害を受けている。
- 妊娠に関わる死 ― 妊娠出産に関連して毎年50万人の女性が命を落とす。シエラレオーネやニジェールでは、産婦の死亡率は8人に1人にものぼる。
自分がこれらのリストに載らないことの幸せをかみ締め、責任を思い出す。
2005年 3月 16日 午前 12:02 | Permalink | この月のアーカイブへ
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