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2005.02.05

戰争の快樂

実のところ、戰ふのはとても樂しいものであります。非常に面白い。人を撃ち殺すのは樂しいのであります。はつきり申し上げませう。自分は騒々しい喧嘩事が大好きであります。アフガニスタンに行けば、ヴェイルをかぶらなかつたごときで、五年間も婦人に平手打ちを喰らはせ続ける男どもがゐるのであります。そのような奴らはもう男であるとは云へません。だから、奴らを撃つのは大変愉快なのであります。

と語った米軍の将校が何らの処罰も受けないことになったらしい(AP電BBC米軍機関紙アルジャジーラ)。

許しがたい発言だと思います。しかしその一方で、狙撃をしては歓声をあげる海兵隊員たちの姿を何度もテレビで見たので、 James Mattis 海兵隊中将のこの発言自体には、ある意味で、さほど驚くべきところはないと言えるのかもしれません。

この発言を擁護する Mike Hagee 海兵隊司令官の発言には、特に、用意された文面として発表されたことを考えれば、求めるべきところが多いと思いました。

彼の発言に関して話し合ひを持ちました。彼も、もつと言葉を注意深く選ぶべきであつたと納得しておりました。一部の人は彼の発言を問題だと考へると思ひますが、私は彼が戰争の悲しく嚴しい現実を反映させる意圖で語つたと承知しております。マチス中将は屡々非常に率直に物を言ふ男であります。海兵隊は創設以来一貫して我國と世界中の人權を護るために命を献げてきました。必要があれば、他を抑壓したり、我國の安全を脅かしたりする者の命を毅然として奪ふこともあります。喜ばしいことではありませんが、武器を携へる職業の現実だと心得ております。マチス中将は卓越した指揮官であり、海兵隊の最も勇敢で経験豊かな戦士であります。今後も彼が献身的かつ優秀に國のために尽してくれることと確信しております。

イラクでは、一万を超す民間人が多国籍軍の手で命を奪われています。いわゆる付随的損傷。そのような形で殺された人たちへの思いは、この文章から読み取ることはできません。仮に彼らのことが言及されていたとしても、殺された一人ひとりは、それが「戦争の悲しい現実だ」と言って自分を慰めることもできないのだけれど。残された家族や友人たちにしたって、殺害を命じた司令官が「それが現実だ」と言って自分を納得させていると知ったら、いったいどう思うのでしょうか。そしてもちろん、その命令を実行する者たちが快楽を感じながら殺害を行なっていると知ったら。

引用部分は、少しは軍隊の雰囲気が出るかなと思って、昔っぽく、舊字舊假名にしてみました(仮名遣いの間違いがあると思います。お気づきになりましたらご指摘ください)。日本では軍隊なんて昔の話だ、と思っていられるうちが華だと思いました。一年でも一日でも長く咲く姿を見ていたいこの華。

today's_news_from_uk+ ブログにトラックバックを送ります。nofrills さんも私もちょっとヒネって訳してしまったのは、元があまりにあっけらかんとした文章だったせいでしょうか。こんなふうに考える人たちが戦争や占領をやっていると知るのは、やっぱり悔しいですね。

2005年 2月 5日 午前 12:01 | | この月のアーカイブへ

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コメント

ではお言葉に甘えて仮名遣いを。「面白い」→「面白ひ」の方が、雰囲気が出て良いかと思います。

投稿: あさ@逃避日記 | 2005/02/05 11:13:46

あささん、こんにちは。「逃避日記」いつも読んでいます。

「面白ひ」はレトロな感じはするけど、実際は使われていなかった仮名遣いですよね? 青空文庫工作員としては、批判が怖くてちょっと… (笑)

つらつら考えていて、「おります」は「をります」だよな、たぶん、と気が付きました。

投稿: うに | 2005/02/05 16:49:09

初めまして。私も舊字舊假名に詳しいわけではありませんが、気が付いたところを指摘致します。
非常に面白い試みだったと思いますが、これを日本語FEPで入力するのは大変だったろうと思います(笑)

>実のところ
實のところ

>騒々しい
騷々しい

>喰らはせ続ける
喰らはせ續ける

>そのような
そのやうな

>彼の発言
彼の發言

>関して
關して

>経験豊かな戦士
經驗豐かな戰士

>尽してくれる
盡してくれる

投稿: ESD | 2005/02/05 22:21:01

ESDさん、ありがとうございます。面倒くさがらずに「校閲君」http://www.hyuki.com/aozora/ を使えばよかった…

投稿: うに | 2005/02/06 11:27:44

>うにさん
定期的に拝読していますが,コメントは初めてです。先日はトラックバックをありがとうございました。

> nofrills さんも私もちょっとヒネって訳してしまったのは、元があまりにあっけらかんとした文章だったせいでしょうか。

「あっけらかん」……まさにそうです。

It is a lot of funと云へば、to play tennisが後に續くものと決つてゐるのです。だから元の文を見た時に、はてこれは如何すれば善いのだらうかと途方に暮れてしまつたのだと思ひます。然うして頭に浮かんだのが、「學校英語風」だつたのです。

投稿: nofrills | 2005/02/09 18:16:58

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