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2005.01.04

何人(なにじん・なんにん)?

ここ数日、夜7時のNHKニュースで津波災害の報道を見ていました。2日までは、死亡が確認された人たちについてと、行方不明になっている(特定の)人を探す家族たちについて報じていたのですが、3日になって初めて、所在確認ができていない被害地域への日本人旅行者が二百数十人いるということを報じました。まさか、外務省の発表で初めて気が付いたわけでもないでしょうに。もし日本人の被災者が多いことが事態の深刻さの妥当な尺度になると言うのなら、もっと早くから報じるべきだっただろうと思います。

死者や行方不明者についてにせよ、援助のため現地に向かった人たちについてにせよ、NHKの報道が焦点を狭く「日本人」に絞って行なわれていることに、私はとても違和感を感じます。15万人もの人が亡くなったこと、今なお援助物資も届かないで困っている人たちが多いことにもっと目を向けるべきではないでしょうか。

雑誌『前夜』の創刊号に 徐京植 ソ・キョンシク さんが書いていたことを思い出しました。高遠さんたちがイラクで拘束された時に論議を呼んだのが、自業自得(「自己責任」)なのか、それとも政府には「邦人保護」の責任があるのかということだったわけですが、徐さんは、「私は祖父の代から日本に住んでいますが、『日本国国民』ではありません。日本国籍は持っていません。私は『邦人』ではありません。私が人質になった場合に、おそらく日本国政府は私を助けないでしょう。」と予測します。この「邦人保護」をめぐって、徐さんは二つの重要な指摘を行なっています。一つは、「邦人保護」が中国大陸への侵略の口実とされたこと、つまり「邦人保護」は戦争を始める論理にいつでも転化しうるということ。もう一つは、基本的人権の保障は国籍を問わず無条件に行なわれるべきだということ(国籍にこだわる日本の政府あるいは日本国民はそのことを根本的に理解していないのではないかということ)です。

国や国籍にこだわりすぎて、内向きで冷たい人になってますよね、私たち。頷きながら読んだあささんのブログにトラックバックします。

2005年 1月 4日 午前 08:07 | | この月のアーカイブへ

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コメント

 こんにちは。
 外国で事故や災害が起きたとき、条件反射のように思い出す歌があります。
 「外国で飛行機が落ちました ニュースキャスターは嬉しそうに『乗客に日本人はいませんでした・・・』」ご存じかもしれませんがTHE YELLOW MONKEYの「JAM」という曲です。10年以上経っても、彼らが提起した問題は解決していないんですね。

投稿: KEN-NYE | 2005/01/12 16:40:01

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