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2005.01.26

エリ・ヴィーゼルの国連スピーチ

ナチスの絶滅収容所解放60周年を記念する国連総会(2005年1月24日)。ページ一番下のリンクから各国首脳等のスピーチのビデオを見ることができる。

Elie Wiesel さんによる講演は午前の部、32分から48分まで。大意を要約する。強制収容所に送られたユダヤ人たちは、ナチスの暴力だけでなく、世界の無関心によって苦しめられた。ユダヤ人殺戮を行なったのは、ごく普通の、教養をもった市民であり、なぜアウシュビッツのようなことが起こりえたのかは、いまだに言語では表現できない。自分と違う者たちへの憎悪や、復讐は病気である。解放当時、収容所にいた人たちは祝う力も残されていなかった。今日も、解放を記念するとともに、何百万人もの人たちにとって、それが遅すぎたことを忘れないようにしよう。殺されていなければ、収容所の子どもたちはいったいどのような偉大な貢献を世界になしえたであろうか。人々の無関心は常に攻撃者の利益になることを忘れてはいけない。今日、関心を持ち、行動することによって、今日の子どもたちを救うことができる。世界がこのことをもっと早く学んでいれば、ダルフール、カンボジア、ボズニア、ルワンダの惨劇は防ぐことができたであろう。世界は本当にいつの日かこのことを学ぶのであろうか。

パレスチナへの言及が「ナチスによる迫害を逃れるための移住の地」としてと「自爆テロを糾弾しなくてはならない」という二点であることが気にならないわけではない。しかし、ホロコーストの生き証人であるエリ・ヴィーゼルさんに、絶滅収容所解放の記念の演説でそれ以上のものを求めるのは無理なのかもしれない。

2005年 1月 26日 午前 12:01 | | この月のアーカイブへ

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