温泉と人種差別(続き)
「外国人お断り」の看板を掲げていた小樽市内の温泉施設と小樽市を訴えている有道出人(あるどうでびと)さんの講演(1月21日、名古屋大学職員組合情報言語系支部主催)を聴きました。
詳しい内容は有道さんの著書『ジャパニーズ・オンリー 小樽温泉入浴拒否問題と人種差別』(2003 年、明石書店)や彼のウェブサイトに譲りますが、ユーモアに満ちた講演の中で、有道さんは小樽の事例が国籍差別ではなく人種差別であること、差別は放置すると広がってしまうことを明らかにしてくれました。彼の裁判(このブログでは昨年9月に取り上げました)は現在最高裁で係争中ですが、地方自治体が差別撤廃への取り組みを怠っていることの責を問うその道程はまだ険しいようです。
「裁判闘争などによって差別的な看板は下ろされるかもしれないけれど、より深いところに差別的な考えが残ってしまうのではないか」ということを有道さんに聞いてみました。彼の答えは、差別と偏見を分けて考える必要があり、差別(行動)をなくすだけでは偏見(考え)はなくならないが、だからといって差別を放置していいわけではない、というものでした。
たしかに、小樽の問題でも、「Japanese Only」の看板を掲げている店自体が偏見を持っているというより、「外国人といっしょに入浴するのはいやだ」という(偏見を持った)日本人客の足が遠のかないようにするために差別(看板)が行なわれている面があるようです。私はけっこう偏見を持つ人自身に注目してしまうのですが、差別を受ける側に立てば、まず差別自体を取り除くことが必要なのだと、あらためて認識しました。
2005年 1月 23日 午後 07:49 | Permalink | この月のアーカイブへ
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