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2004.12.18

生ハムとスルメ

立食パーティーで、学生が私の皿を見て「先生、それ生ハムですか?」と聞いてきました。「普通のハムだよ」と言ったら、「先生が食べてると生ハムに見えますね~」「おー、高級感が漂ってるだろ」「ですね~」。

生身の私を知っている人は眉に唾を付けたくなったかもしれませんが、本当にあったやり取りです(まあ、めったにないかもしれない)。一瞬、気をよくしたのですが、考えてみると、いつの間に自分はそんなプチ・ブルジョアの雰囲気を身につけてしまったのだろうと悩むことしきり。アイデンティティの危機か。

私の考えは社会の尺度からすればかなり「左」に寄っていると思いますが、党やセクトや市民団体に属したことはありません。そういう面で立つ位置は違うのかもしれませんが、草加耕助さんのブログ「旗旗」の「ついにこの話題に言及-北朝鮮と拉致問題-」という記事を読んで、ものすごく心にしっくり来るものを感じました。重要な人権問題でありながら、国家主義的な考えの人たちに言説を完全に乗っ取られているという思いは私もあります。そして、「左」という位置が私たちがこの問題に関わっていくことの障害になってきたということも。以前書いた、「左-右」だけではなく「自由意志尊重-権威・独裁主義的」という座標軸も必要だという話を思い出したりもしました(テストを全部やるのは面倒な方は、歴史上の人物がどのような位置にプロットされるかを見るだけでも楽しいと思います)。

食べ物の話に戻します。草加さんの記事より引用:

「古き良き革新」と「懐かしの左翼」の共闘で、黒目さんが付き合っておられるような「新しい人々」を支えて、「一足飛びに回帰した人々」や「ピースな人々」の群れの中に飛び込み、国家という存在に対峙できたらいいなあ。日本政府とかそういう狭い意味ではなくてね。歴史的・過渡的存在としての国家そのものと。私は時間さえ許せばいくらでも「新しい人々」の手足になって働くよ。
それで飲みにいったら若い人々に囲まれながら「おっちゃんの言うてることもう古いわー」とか言われて「何ぬかす。まだまだ時代は変わっとらんわい」とか実は嬉しそうにスルメ齧りながら赤い顔して酒のんでる左翼オヤジを目指そっと。

やっぱりスルメよね。

2004年 12月 18日 午後 03:38 | | この月のアーカイブへ

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受信: 2004/12/20 11:40:45

コメント

左と右といえば・・
昭和20年代か30年代の話だったか忘れました。、当時左の論客の小田切秀雄さんだったと思いますが、電車の中でばったり三島由起夫と隣り合わせになったのだそうです。つり革につかまりながら小田切さんは三島に言った。
「うちの党に入りませんか?」と・・・
三島は驚いて曖昧な返事をしたのだとか・・

この話人物名や詳細事項にミスがあれば失礼。

ハムといえば・・・
私が通う総合病院の三十代半ばの脳外科の先生は、最近一段と太り、すらっとした一枚の白衣を着ているときはバレないが、ズボンと上着に分れたセパレート型の白衣を着ると上着の脇のベルトで締められて前から見ても横から見ても後から見ても切り分けられる前のボンレスハム状態です。

スルメといえば・・
「無限抱擁」などを書いた瀧井孝作さんという作家がいます。谷崎潤一郎が「文章読本」で悪文の典型として瀧井の名を挙げ、「彼の作品は彼の文章でなくてはならない」と作家冥利につきる誉め方をされた人です。というわけで、まあ・・・彼の文章は、読みにくい。読みにくいが、読めば読むほど味わいがでてくる・・というスルメみたいな文章を書く作家です。

投稿: ten | 2004/12/19 9:29:32

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