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2004.06.17

猫を繋ぐ

アメリカ合衆国ネブラスカ州の州都リンカーンで、猫を屋外に出す場合は紐で繋いでおくことを義務づける条例が検討されている(AP電)。狂犬病の伝染を予防したり、他人の庭で用を足すのを防止したりするのが目的で、過去4回、大きな論議を呼び、その都度、廃案となってきたそうだ。

条例制定を推進している人は「猫は散歩させる必要はない。家の中で飼えばいいのだ。そして家の外に出す場合はひもで繋いでおきさえすればいいのだ。」と語っている。反対する人は、それが非現実的だと主張している。

私の限られた経験から言えば、猫の個性や習慣には非常に幅広い多様性があり、このような条例の施行によって全く不自由を感じない猫も、この条例の遵守によってほとんど虐待に等しい精神的苦痛を感じる猫も存在するように思われる。後者にとっては、言語的障壁により制度変更の周知がほとんど不可能に近いため、それまで基本的な権利として享受してきた行動が、自らが代表として発言権を持たない他者組織によってある日突然、恣意的に制限を受けることになったと感じられるであろう。このことによって政治への不信が増大するのみならず、家庭という共同体の破壊が引き起こされかねないことは想像に難くない。

安全衛生上の考慮により権利の制限がやむを得ないとしても、即時に一律の適用を行なうのではなく、今後、生まれてくる猫から漸次適用するなどの経過措置的な行政上の配慮が必要ではないかと考える。

2004年 6月 17日 午前 12:06 | | この月のアーカイブへ

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