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2004.05.04

ラブストーリー

初公開からはずいぶん時間が経ってしまいましたが、クァク・ジェヨン監督の韓国映画「ラブストーリー」を見ました。前作「猟奇的な彼女」が良すぎたというか、「偶然によって導かれた母の初恋を基軸に、過去(1968年)と現在(2003年)、そして母と娘の二世代を結ぶ、一つの愛の奇跡」という宣伝文句を聞いてしまうと途中でだいたい話の展開が読めてしまうところが少し弱い感じがしますが、見に行って損した気は全くしません。(う~ん、あまりほめてないように聞こえますね。いや、すごく良かったです、本当に。)

ここで描かれているような“愛の奇跡”はどのような時代/社会の恋人たちにも起こりうるのだと思います(奇跡ですから、可能性はすごく低いでしょう)が、朴正煕政権・ベトナム戦争時代と民主化が進んだ現代の韓国が並行する二つの舞台に選ばれたことは、その選択が強く意識的でなかったにせよ、私には大きな意味が感じられました。

封建的な家族制度、政治や戦争がもたらす悲劇は現実の世界に多く存在し、それは私たちに運命に対する諦めを強要するのだけれど、まれに、そのような人生の不条理をすべて許し、昇華させてしまうような出来事が起こりうる。その可能性を示すことによって、自分を、あるいは現在に生きる人たちを慰めたい。単なる“ラブストーリー”を語るのではなく、そんな意図がこの映画にはあるのではないかと考えました。

今日も進行中の悲劇があります。何年か何十年か後に、それを忘れさせてくれるような奇跡や喜びを経験する人はいるのかもしれない。しかし、それはほんのわずかの人であることは明らかです。できることならば、そのような悲劇が起こること自体を人々が力を合わせることによって食い止めるべきである―月並みな感想ではありますが、そう考えながら私は映画館を出ました。

2004年 5月 4日 午後 11:38 | | この月のアーカイブへ

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コメント

山を越えて、こちらの映画館でも公開されることを祈りたいです。二週間とはいえ「猟奇的な彼女」は来ていたから、大丈夫かも。と期待してます。(^^)/

投稿: Juki | 2004/05/05 11:58:14

祈りが天に通じたか、ついに当地でも公開されることになりました。来月、しかも一日だけですが。楽しみです。(^^)v

投稿: Juki | 2004/05/27 21:51:31

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