« 東ティモール滞在者のブログ | トップページ | 結婚と宗教 »

2004.05.18

インドの選挙結果について

Let us Hope the Darkness has Passed ― インドの有名な小説家、Arundhati Roy さんがインド国会総選挙の結果についての論評を書いている。彼女はアフガニスタンやイラクでの戦争、環境問題などに関しても積極的に発言をしてきた人である。報じられているように、今回の選挙では保守的なヒンドゥー民族主義路線の前与党、インド人民党(BJP = Bharatiya Janata Party)が大敗し、国民会議派(Congress)を中心とする連合政権が樹立されることとなった。

Roy さんは、BJP 政権下の新自由主義的な経済“改革”が都市と農村の間の貧富の格差を極端に拡大しただけでなく、POTA と呼ばれる治安維持のためのテロ防止法によって警察の横暴が強まり、少数民族などへの迫害や殺害が横行したことを多くの具体的な数値を示して指摘している。

政権交代によって、このような暗黒時代が終わりを告げたかという点については、新与党・国民会議派と BJP の間に大きな政策の違いがないこと、経済“改革”や行き過ぎた治安維持が選挙の争点となっていなかったことをあげ、楽観は許されないとしている。

インドは決して私たちにとって遠い国ではなく、ロイさんが取り上げている諸問題も私たちに無縁ではない。それは、一つにはグローバリゼーションにどう抗していくかというのが私たちの共通の課題であるからでもあるが、そのような概念の助けを借りなくても、私たちはそのことを極めて直截的に捉えることができる。試しに、アルンダーティ・ロイの名前を例えば大江健三郎に、政党の名前を自民党、民主党に置き換えるなどして、もう一度この記事を読んでみるとよい。そうすることによって、あなたは五年後ないし十年後の日本の新聞記事を読んでいる自分の姿を見ることができるだろう。

2004年 5月 18日 午前 12:03 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: インドの選挙結果について:

コメント

コメントを書く