« 弱い平和思想について | トップページ | 東ティモール滞在者のブログ »

2004.05.17

ラモス・オルタはイラクをどう見るか

Sometimes, a War Saves People ― ウォール・ストリート・ジャーナル紙の論評欄に先週の木曜日に掲載された、東ティモール外相ラモス・オルタさんの意見。ラモス・オルタさんは、ご存知のとおり、ベロ司教と共に、1996年にノーベル平和賞を受賞している。

ラモス・オルタさんは、スペインなどによる撤兵に対して、それがイラク国内の過激派を力付かせるだけだとして、反対を表明している。ポルポト政権を倒したベトナムによるカンボジア侵攻、イディ・アミン政権を倒したタンザニアによるウガンダ侵攻など、国連主導によらない戦争も是認されることがあり、フセイン政権の暴政やクルド系国民への迫害などを考えれば、イラク侵攻もその範疇に入るだろうと言う。そして、フセイン政権崩壊後、言論や結社の自由が保障されるようになったことをあげ、イラク戦争と占領を擁護している。

インドネシア、マレーシア、バングラデシュなどに見られるように、イスラムと民主主義は両立するのであるから、アメリカは Al-Sistani 師などシーア派穏健派を中心にした民主的な政府(欧米の基準からすれば十分に民主的ではないかもしれないにせよ)の樹立が当面の目標であり、1975 年のインドネシアによる東ティモール侵攻に無力であったように、国連の力には限りはあるものの、アラブやイスラム諸国の協力も得つつ復興を行なうためには、アメリカが中心を担いつつも、国連が前面に出て行動していくことが必要であるとする。

ラモス・オルタさんは、ノーベル平和賞受賞者として、武力行使を認めることにためらいを感じつつも、十年前のルワンダのように、何も介入が行なわれなければ何十万という犠牲者が出ることもあるのであるから、このままイスラム過激派の動きに対して世界が反対の意志を明確にしないわけにはいかないと主張している。反戦を唱えるのは簡単だが、それだけでは無辜の人々を見殺しにしてしまうことにもなりかねず、イラクからの撤退はまさにその危険をはらんでいると結んでいる。

この稿は、昨日の私の稿の続きとして書いた。昨日の記事を見ていただければ分かるように、私はここに要約したラモス・オルタさんとはかなり異なる意見を持っている。それについては、近々、もう一度考えてみようと考えている。

2004年 5月 17日 午前 07:09 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ラモス・オルタはイラクをどう見るか:

コメント

コメントを書く