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2004.05.13

この人たちに続け!

顕彰され、それを世界に向けて告発の強いメッセージを送る機会とした、勇気ある人たちに関する記事を二つ続けて読みました。

一人は「私たちはいま、イラクにいます」(講談社)の第51回産経児童出版文化賞受賞を辞退したフォトジャーナリストの森住卓さんです。(asahi.com の記事森住さんのサイトに掲載されている辞退の手紙の中で、森住さんは写真の中の子どもたちは身をもってアメリカの侵略を告発し、戦争を止められなかった大人たちの責任を追及しているようだったと述べ、辞退の理由をこう記しています。

この戦争を産経新聞社はどのように伝えたのでしょうか?日本政府のこの戦争に加担する姿勢を一度でも批判したのでしょうか?この賞を受けてしまったなら、イラクの子どもたちに2度と顔向け出来なくなってしまいます。

もう一人は、 Wolf 賞を贈られた指揮者(シカゴ交響楽団音楽監督)の Daniel Barenboim さん。イスラエル国会で行なわれた授賞式のスピーチで、

別の民族の土地を占領し、その行動を制限しているという状況は(イスラエルの)独立建国宣言とどう折り合うと言うのでしょうか? 一つの民族の独立がもう一つの民族の基本的人権を弾圧することによって成り立っているというのは理にかなっているのでしょうか?

と語ったという記事(AP 電)があります。(バレンボイムさんのサイトの "Journal" の中にも、音楽関係の記事と並んで、パレスチナとイスラエルの問題についての発言が掲載されています。)

追記:授賞式でのスピーチが掲載されました。

バレンボイムさんが言及したイスラエルの独立建国宣言(1948)には、「宗教、人種、性別にかかわらず、そのすべての住民に完全に平等な社会的および政治的な権利を保障する。宗教、良心、言語、教育および文化の自由を保障する。すべての宗教の神聖な土地を護り、国連憲章の原則に忠実である」とあります。

今年の三月に占領当局と暫定統治機構によって制定されたイラクの暫定憲法の冒頭の文も見てみましょう。「イラク人民は、以前の専制的な政権によって奪われていた自由を取り戻すため、あらゆる形の、特に支配の道具として用いられる暴力と威圧を排し、今後、法による支配を受ける自由な国民であり続けることを決意した。」

私は、これらの崇高な宣言や法を起草した人たちが全く心にもないことを書くつもりであっただろうとは思いません。歴史は、受け身に生きていたのでは、理想を実現することは決してできないということを私たちに教えてくれているのでしょう。

世界が理想を忘れることを戒め、不正な現実を告発した森住さんとバレンボイムさんに心からの敬意を表します。彼らに続け!

2004年 5月 13日 午前 12:07 | | この月のアーカイブへ

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