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2004.02.07

違憲です

小泉首相の

「この世の中、善意の人間だけで成り立っているわけじゃない。なぜ警察官が必要か、なぜ軍隊が必要か。イラクの事情を説明して、国際政治、複雑だなぁという点を、先生がもっと生徒に教えるべきですね」

という発言(2月2日、派兵ではない平和的なイラク復興支援を求める高校生が集めた署名について記者に問われて)の要点は、軍隊は必要だという主張と、教育内容に注文をつけているという点だと思います。

首相が教育内容に注文をつけるというのは、行政は「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」を行なうものであって、教育内容に介入してはならないとする教育基本法第10条の違反である可能性が強いですが、この点をめぐっては判例の間で見解の相違が大きいので、言い逃れができるのかもしれません。

小泉首相の発言は、教育基本法違反よりも、まず、憲法違反という点で厳しく批判されるべきだと私は考えます。

「軍隊が必要だ」というのは、憲法第9条第2項(「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」)とは明らかに相容れない主張です。だからこそ、自民党政権はずっと「自衛隊は軍隊ではない」と言ってきたはずです。そして、憲法のずっと後ろのほう、第99条には、「国務大臣…その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とあります。今回の小泉首相のような発言は総理大臣という職にある者には許されないものだということです。

まさか、首相としてではなく個人としての考えを述べたのだとは言わないでしょうから、靖国神社参拝などと違って、きわめて明確に違憲の認定ができるはずです。

首相がこんなことを言ってもいいと思ってしまうところまで世の中が来ているということなのでしょう。小泉首相は、憲法を変えたいという意図を持っている自分は憲法違反の行動をしても許されると勘違いしていると思います。そしてそれを支えている自称・現実主義者たちの責任も重大です。

言い古された正論だとは思いますが、黙っていたら声の大きい者に好きなようにされてしまうだけだと思い、書いておくことにしました。

2004年 2月 7日 午前 12:12 | | この月のアーカイブへ

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