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2004.02.16

電子書籍の価値

Ebooks: Neither E, Nor Books ― Cory Doctorow さんが O'Reilly Emerging Technologies Conference で行なった講演の原稿。Doctorow さんは執筆した本を出版社から刊行するだけでなく、Creative Commons Licence に基づき、電子的にも公開している。Slashdotの記事で知った。

本を「物体」としてではなく「実践」(社会的、経済的ないし芸術的な行動群)として捉え直せば、本を「所有する」という行為に関しても、切り貼りや送信をはじめとするさまざまな加工の可能性を提供する(これを Doctorow さんは "affordance" という語で説明している)電子本のほうが紙の本よりも所有価値が高いと言える、という興味深い意見が示されている。グーテンベルクが活版印刷機を発明して聖書が民衆のもとに解き放たれたころの状況と電子書籍の出現した現代の比較もおもしろい。

電子テキストに「本の未来」を見る人たちのほとんどは、度合いの多寡はあっても、ほぼ頷きながらこの文章を読むのではないかと思う。しかし、企業利益の追求者や「青空文庫のどこが高い志なのか」分からないと言う人(青空文庫の掲示板「みずたまり」の2月14日の書き込みより)には、この種の形而上の議論を理解させることは不可能なのではないかと考えてしまった。

2004年 2月 16日 午後 10:14 | | この月のアーカイブへ

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